『自転車で上牧まで(その4)』





1999/Sep/25
うえだうえお



前回からの続き…ってすげぇ久しぶりですが(^^;))

気をとり直して高架下を走り続けると、いつのまにか交通量がほとんどゼロになってしまった。なんか嫌な予感、と思っていると案の定、堤防に行き当たった。この辺りの川は、小さな川でも立派な堤防があり、堤防上には結構な交通量の道路がある。できれば堤防上を走るのは避けたい。しかし、川を渡る為の橋がどちらにあるのか、見当もつかない。

結局市街地に戻って、またまた迷うことになった。

どうもこの辺りの道は良く判らない。せめて昼間であれば大体の方角も判るのだが、夜はさっぱり見当が付かない。適当に当たりを付けて走っていると、いつのまにか阪急を越え、JRも越えてしまっていた。しかし阪急やJRの位置が分かると、とりあえず大山崎の方向は判るので、しばらくはJR沿いに進むことにした。

しかしJRの山側というのは、道が狭く、起伏も激しい。その割に頻繁に自動車が走るので、危なくて仕方がない。夜間に自転車で走るのにはあまり向かないようだ。結局たいして行かないうちに、再度JRを越え、阪急を越えて、国道171号線に出た。

3級国道(と言う言葉が正式なものかどうかは知らないが)ながら171号線は、交通量が多いのに歩道が狭く走りにくいイメージがあるので避けていたのだが、こんな事なら最初から国道に出てれば良かったとは、もちろん後知恵である。この時点でまだ高槻を少し越えた所である。新幹線の高架下を命懸けで走って稼いだ距離は、171号線に出る為の道路が斜め方向に走っていたため、ほとんど無駄になったしまった。

時刻は既に6時30分を大きく回っている。もう、大遅刻である。大山崎はあきらめて、とりあえず高槻の次の駅、上牧を目指す。高槻に戻るのはしゃくでもあったし、あまり大きな街だと自転車を止める場所を探すのにまた時間がかかるので、それは止めた。

初めての道路は緊張するのだが、それが交通量の多い国道だとなおさらである。先ほどの『事故』もあったので、慎重に愛車をすすめた。が、上牧にはあっという間に着いた。この当たりは駅間が広いのだが、それでも10分くらいで着いたと思う。

『こんなことやったら、最初から国道を走ったら良かった!』
と思ったのは内緒である(どこが?)。結局、芥川・淀川合流点近くの竹の内町・Kマート前(多分、高槻から5分か10分くらいの所)から、上牧まで1時間かかってしまった。自宅を出発してから2時間半である。

上牧の駅前は非常に狭かったが、比較的広い無料駐輪場があって、無事に駐輪できた。さらに電車もすぐに来たので、練習には30分ほどの遅刻で済んだ。一時は練習が終わるまでに到着するのかどうか、非常に不安であったのだが。

帰路は素直に国道171号線を高槻までを走り、高槻市役所前から府道16号線へと入って菅原城北大橋を越える経路をとった。所要時間はなんと1時間30分ほどだった。昼間も国道を走ればきっと速かったのだろうなとは思った。しかし帰路は交通量の少ない夜間だったので良かったが、昼間であればきっと自動車の排気ガスでのどをやられて練習場に着いた頃には歌えなくなっていたに違いないと、自分を納得させつつ無事に我が家へとたどり着いたのであった。

(おわり)