Date: Fri, 17 Jan 97 13:46:04 +0900
From: UEDA TATSUYA 
Subject: [OCM:01782] 青春紀行その 10

☆☆☆ 青春紀行 その10 ☆☆☆

中町からお堀端へ続く横丁を入ってみると、そこには、城下町 情緒の溢れる
『旅館』が建っていた。これこそ、ガイドブック で見た、『まるも旅館』で
はないか。当初、ここに泊まるべく、 パンダロンが電話を入れてみたのだが、
残念ならが正月は営業 していないとの事であった。実物を見るにつけて、
やはりここ 泊まりたかったとの思いひとしおである。

旅館玄関口から、お堀端へと抜けて見ると、旅館が経営する 『まるも珈琲店』は
営業していた。こちらもガイドブックお 奨めの店だ。昼食の為の作戦会議もかね
て、入ってみること にした。旅館は純和風造りの玄関なのだが、同じ建物の別の
面にある珈琲店は、明治・大正期のカフェーを思わせる(そ んな所へ行った事が
ある訳はないが)、アンチークな入り口 及び内装である。さらに、クラシックCD
をずらりと並べ (もちろん再生もしている)、雰囲気はさらに盛り上がる仕掛け
だ。腰掛けようとして、一瞬ギクリ、とした。歌詞のな いバッハ・グノーのアヴェ
・マリアがかかっているではない か。

 「うっ・・・」

と腰を浮かせかけたが、良く聞くと、チェロで演奏している ようだ。どうも、
例のCDのせいで、『アヴェ・マリア・ア レルギー』になりかかっているのかも
しれない。 

などと思いながら、メニューに目を落とす。『まるもブレン ド』が400円。スト
レートも概ね450円だ。もちろん、 ブルマンは別格だが。安い。そう言えば、
朝食を取った喫茶 店のモーニングも内容からすると安かった。 

ここで、『トアルコ・トラジャ』が目に入る。ふむ。最近、 大阪で飲む珈琲には
あまり期待を抱いていないし、『トラジ ャ』となると、お目にかかること自体が
少ない。ここは、 これしかあるまい。パンダロンは、どうやらココアを注文した
ようだ。

さて、出された『トラジャ』を一口すする・・・う、この 豆はもやし・・・いや、
もしや・・・

(続く)

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UEDA TATSUYA
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