'97/5/5

40年前の記憶


今日、合唱団の何人かと奈良の<山辺の道 >へ行くことになっていたんです。
しかし、幾つかの理由で止めました。
止めた理由の一つに、最近とみに気になっていたあることの記憶をたどってみたくなった、ということがあるんです。
で、岡山へ行くことにしたんです。

4才〜7才ぐらいの間、私は父親の仕事の関係で岡山に居たことがあります。
<居た>といっても、春休みや夏休みに父親に合いにいったにすぎず、暮らしていたということではないんですが。
最近そこでの記憶がよく出て来るんですよ。
以前に比べてだんだんと気になってきてですね、記憶があやふやなだけ、余計にそれがまた引っかかっていたんですね。
いつかはハッキリしてやろうと思っていたんです。
それで今日は出掛けたというわけです。

記憶は断片的なんです。
何と言っても40年前。両親にいろいろ聞いておけばよかったのですがそう思った時はすでに母も父もこの世にはいませんでした。
ですから住所も判っていません。
私の記憶は、「商店街」「突き当たりの道路」「道路沿いの家」「なまず」「遊園地」「動物の恐い鳴き声」これだけなんです。
当時の短い滞在での出来事はよほど強烈な印象だったんですね。だから最近になってよく思い出すのでしょうけれど。

岡山駅に着いたのは12時過ぎでした。

岡山には大阪から一時間でいけるんですね

駅前の風景は当然40年前とは違いますね

当時は蒸気機関車でしたね。トンネルに入るとき「すすが入る!」と言って母親に叱られたことを思い出します。汽車独特の音のリズムが今も蘇ってきます。(美空ひばりさんが歌った「りんご追分」?という題だったかな。 あのリズムです)
駅について、案内所で市街図をもらい表へと出たんです。
どうもこれは反対側、西口に出なければと思ったんですね。カンです!

西口に出たけれど何処へ向かって歩けばよいか判らず、これもカンで歩き始めました。そしてそれらしい商店街を見つけてしまったんです。感動でした。

歩きながら、父親に真夜中背中に追われて探し回った歯医者のことを思い出したんです。歯医者はないかと探しながら歩いたんですが、上の写真でも判るように一軒だけあったんですよ!
そしてこの商店街を出たところが

この一角に見覚えが・・・

この一角に家があったように思います。しかし、確証がない。もう一つの記憶、「なまずを取った川」がこの裏手にあるはず。もしこれがあれば、間違いなくこの辺が家だったと言えるのですね。そして、裏に廻ると・・・・・・

川ではなく水路だったんです!
もうびっくりです。見つけたとき涙が出そうでした。
そしてこの時、色々なことが結びついたんです。
父親に連れていってもらった遊園地。そしてその遊園地には動物園があり、私の記憶にある真夜中の鳴き声はそこの猛獣の鳴き声だったんです。
もう少し歩くとホントにあったんです!

山の上に観覧車があるんです。ここからは見えませんが、動物園があります。

感激でした!記憶が現実となったんです。昔を思い出して感慨にふけるといったことではないと思います。私の記憶の中でこの頃だけがおぼろげだった部分、それがハッキリしたわけです。これで繋がったんです。

後は一般観光客です。

後楽園です
後楽園の中です
烏城(岡山城)です
思い切って岡山に来てよかったと思います。
合唱団のみんなとは一緒でなかったけれど、今日の一日は私の<復活となる一日>になったと思います。

'97/5/5「40年前の記憶」終わり


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