No.380 '01/8/20

立ち並ぶマイク・スタンド


立ち並ぶマイク・スタンド、といっても7,8本でしょうか。
しかし、けっしてそのマイクに威圧的な感じも持たず、淡々と一曲一曲録音が進められていきました。

「CD録音」が終わりました。
<淡々>、といってもその都度の集中度は相当なもので、休み時間も惜しみつつ全19曲がテープに収められたんですね。
一日目は取り始めてから8時間ほど。
二日目も8時間ほどかかりました。

今まで我々がCDをリリースしたのは全て「ライブ録音」
聴衆を前にしない、編集も前提とした「録音」は初めてですね。
仕上がりが楽しみです。
録音の手順は、
全曲を通して録音される最初の「テスト」録り。
それを別室で作曲者、ビクターのプロデューサーと共に聴きながら、次の通し、「テイク1」「テイク2」と録っていきます。
だいたい「テイク2」「テイク3」までだったのではないでしょうか。
しかし、曲によってはそれ以上のテイクもありましたし、全19曲中2〜3曲に関しては部分取りもありました。

それにしても団員たちはよくやりましたね。
個人的なレベルでの向上は確かなもので、ピッチやハーモニー感覚はより安定してきた、と振りながら思っていました。
裏話ですが(?)、木下牧子さんがスピーカーから聞こえてくるテナーを「今回、補強メンバーを加えたのですか?」ということを仰ったそうなんですが、それほどに前回の印象と変わっていたのでしょうね。
しかし、それはありませんね。新人が一人入っていますが、変わった原因はやはり個人レベルでの向上です。
発声のこともありますが、メンタルな部分が大きいかもしれません。
特に「男声合唱」の響きは、今回を機に「シュッツの男声」を示し得たのではないかと自負するところです。

一回一回「向上」に向かって取り組む、それがシュッツ合唱団の「変わらない姿勢」でありたいです。

今年の11月発売だそうです。
参考になりますでしょうか、演奏した曲(予定収録曲)を以下に書いておきます。

男声合唱:
「恋のない日」から第3曲<恋のない日>
「ティオの夜の旅」から第1曲<祝福>【改訂初演】
女声合唱「愛する歌」から第2曲<ロマンチストの豚>【今回のために男声合唱に新編曲】

女声合唱:
NHK全国学校音楽コンクール課題曲「めばえ」
「絵の中の季節」から第1曲<古い絵>、第2曲<棗(なつめ)のうた>
「5つの祈り」から<祈り4>と<祈り5>
「グリンピースのうた」から<グリンピースのうた>
「ふくろうめがね」から<ほたるたんじょう>

混声合唱:
「ELEGIA」から第3曲<春のガラス>、第4曲<秋のスピイド>
<うたをうたうとき>
「光と風をつれて」から第1曲<いっしょに>
「三つの不思議な物語」から第1曲<44わのべにすずめ>
「うたよ!」から<おんがく>
「夢みたものは」から第1曲<夢みたものは・・・・・>、第5曲<鴎>
「ティオの夜の旅」から第1曲<祝福>

収録曲全曲がア・カペラというのは珍しいのだそうです。
そういえば、ヨーロッパなどの教会音楽ではア・カペラは普通ですが、邦人曲ではピアノ伴奏が含まれるのが通常かもしれません。
木下牧子さんが自薦された曲。
自信作であることは自明ですが、歌った合唱団にとっても素敵な出会いとなりました。
これからも歌い続けたいと思います。
木下作品ファンの方々にとっても、そして聴いていただく全ての方々にとっても、「木下作品」の素晴らしさが伝えられる、そんな一枚となれば嬉しいです。

No.380 '01/8/20「立ち並ぶマイク・スタンド」終わり