No.393 '01/10/29

カラヴァッジョを観てきました


歌舞伎町でまた火事があったと、新幹線の字幕が伝えていました。
山手線の車中、人身事故のため電車が遅れるかも知れないと、頻繁に車内放送で報告している夕刻時でした。
そして今、新宿の高層ホテルの一室にいます。

明日、訪れたい所があって東京に来ています。
明日の朝が早いということもありますが、「カラヴァッジョ展」にも行けるということで1日前にやってきました。
しかし、やはり1日は短いです。
5時45分には飯田橋にあるトッパンホールの下見にも行かなければならなくなり、大忙しの美術館訪問でした。

東京都庭園美術館、光と影の巨匠ーバロック絵画の先駆者たち「カラバッジョ」展が開催されています。
以前この「日記」にも書きましたが、バロック芸術を理解するためには、またその歴史的意味や流れを知るためには「カラヴァッジョ」の絵画を観ずして「バロック」を語ることはできないと言えます。
その絵が日本で初めて本格的に紹介されるというのですから、ワクワクしながらやってきました。

光と闇、光と影、その成熟期の峻烈きわまりないドラマチックな絵画。
彼が描いた現実は本当の現実よりリアルに見えます。
晩年(といっても彼が亡くなったのは38才でした)の悲劇性に富んだ彼の絵画、それは観る者の心に深く突き刺さります。
「バロック芸術」をよりはっきりと認識するためにもこのカラバッジョ展、観る価値は大いにあると思いますね。お薦めです。

初めて訪れた<東京都庭園美術館>、いいですね。
気に入ってしまいました。
木々に囲まれて、閑静な環境というのもいいのですが、絵の囲まれ方も私には良かったのですね。まぁ、各部屋が少し小さく、狭いということも言えるかもしれないのですが、私には落ち着いて観ることができました。
来ている方々も良かったです。熱心に観ておられるのは当然としても、どうやら一人で来られている方が多いように思いました。
<お誘い合わせ>ではないのですね。
各部屋を観て回りながら、落ち着いた気持ちの原因がこの訪れている方々にもあるのだと解ったとき、とってもいい気持ちになりました。

時間が無かったものですから45分ぐらいで出てきました。
これは是非もう一度伺いましょう。(11月の東京定期の後ですね)
東京公演の楽しみがまた一つ増えました。
早足で元来た道を歩くのですが、ホールの下見へと向かう私の足はそれはそれは軽かったです。

No.393 '01/10/29「カラヴァッジョを観てきました」終わり