No.417 '02/2/8

アフガニスタン難民支援「チャリティー・コンサート」


九州は福岡カテドラル・センター 大名町カトリック教会で、<アフガニスタン難民支援「チャリティー・コンサート」和解と平和への祈り>(2002年2月8日)に出演してきました。
下の写真がその教会です。

初めて行く福岡。
しかし、今回は観光する時間もなく、演奏会場〜ホテル〜本番〜ホテル〜空港という強行スケジュールです。
二日続けての早朝6時起きでした。
行き帰りとも8時5分発の飛行機です。

当日、朝の10時に教会へ。
今回は各パート6名づつの編成。
まだ到着していないメンバーもありましたが立ち位置の確認です。いつものように念入りに会場の響きを捕まえるべく奮闘です。

1時間ほどかかりましたが、何とかシフトを決めて終わりました。
「SCO」も来て音出しです。

本番、いいお客様でした。感謝です。
始まりは少し堅い空気だったと思うのですが、曲が進むごとにいい雰囲気になっていきました。
最初に演奏してくれた「SCO」のカルテットが良かったです。
モーツァルトの音楽を生き生きとした音楽的な流れで演奏してくれました。
前半でお客さんの心をぐっと掴んでくれた演奏。
そのあとを受けての合唱団です。

後で聞くと、合唱団はとても緊張していたそうです。
器楽で捕まれた後は、もう大変。
お客さんの中に「ふーん、合唱か」ってな顔を見たんですって。(まぁ、ちょっとオーバーかもしれませんが)
それだけ「SCO」が良かったということですね。

合唱の最初はア・カペラで「アヴェ・マリア」。
演奏が終わっても拍手がない!(良かったのか?悪かったのか?)
これもよくあることですが、拍手をしていいのかわるいのか、お客さんも迷ってしまわれることがあります。
この辺り、私の挙動が大切。
しかし、今回は演奏をひとまとめにしたかったので拍手を頂くような仕草は避けました。
2曲目、3曲目は「SCO」。これも良い演奏でした。
そして次です。
賛美歌の中から「あなたも見ていたのか」という曲を演奏したのですが、そこから会場の雰囲気が変わったそうです。
もう、合唱団の<言葉>に、<響き>に会場は一変したというんですね。(こういう話は後で聞きます。当の私は、そのことに少しは感じるもののただただ音楽の真っ直中にいるだけなんです)

休憩時には、涙ぐんだお客様が我々のCDをお求めに来られたとか。
会場はもはや合唱団が語る「祈りの言葉」に耳を傾けて下さるようになっていたのですね。

二部の曲の「詩」は鮮烈です。
しかしその「詩」に付けられた曲は客観的。
「生」な感じはしないものの、それでもその悲惨な内容ゆえにお客様の中には戸惑われる方もいらっしゃったかもしれません。
戦争による悲惨な世界が展開されているのですが、最後の楽章ではなんと憲法9条の前文も語られます。(それにしても、我が国の平和宣言は素晴らしいです。世界に誇れる誓いですね。)
演奏し終わり、振り向いてお客様の顔を見た私はその顔が幾分<曇っている>ように思われたのでした。

ここで、打ち合わせによる私の挨拶です。
しかし、言葉が出てきません。
言葉を無くしかけた私の中から振り絞るように出てきた言葉、それは「希望」という言葉でした。
会場のお客様の顔、目は、優しかったです。
会場においで下さった沢山の方々と一杯目があいました。その視線を感じながら私の脳裏を走ったのは「希望」という言葉だったのです。

アンコールを三曲。
どんどんお客様が迫ってくる思いがしました。
最後の曲は皆で一緒になって歌いました。
合唱団と会場は一つになったと思います。

「難民支援」の演奏会、是非とも成功させたかった演奏会です。
その一端を担わせていただけたことに感謝です。
関係者の方々に心からお礼を言わせていただきます。

「ありがとうございました」

No.417 '02/2/8「アフガニスタン難民支援「チャリティー・コンサート」」終わり