欧州シリーズ1[ツバメ]


97年と98年にシュッツ合唱団でドイツ演奏旅行に行った。98年にはオプションでイタリアにも行った。
初めての海外は何もかも新鮮で、素晴らしい体験の連続であった。そんな中私は合唱団のメンバーとは違うことを一つ楽しんでいた。
そう鳥である。日本と同じ鳥、微妙に違う鳥、全然違う鳥。
「欧州シリーズ」は、旅行中に見聞きしたか、それに関わるお話のシリーズです。


97年の旅行中、リューデスハイムとイエナの町で一番驚いたこと、それはヨーロッパのツバメたちだった。

日本のツバメとは明らかに違う。もしかしたらアマツバメの仲間だったかも知れない。色も体の大きさも違う。茶色っぽくて大きい。喉に赤い模様はない。
「キャラキャラ」といった感じの鳴き声と共に、編隊を組み鋭角的に飛ぶ。
なんだか、カッコいい。
日本のツバメは編隊は組まない。鋭角的に飛ぶことは飛ぶが、スピードが違う。ヨーロッパのツバメたちは曲がるとき速い。しかも突然方向転換をする。それも編隊ごとだ。
日本のツバメは何か、スーッといった感じで飛び、何となく曲がる。優雅なのだ。

どちらのツバメが良いかというと、どっちとも言えない。どちらもその土地や街並みに合った感じがするのだ。
ツバメが町並みに合わせるわけはない。ならばそれぞれの鳥たちに合わせて、それぞれの街並みができたのかも知れない。そんなことも考えてしまった。

ヨーロッパのツバメも電線に止まり、軒下に巣を作る。日本のと同じだ。
この似ているようで似ていない鳥たちとの出会いで私は、ヨーロッパにやって来た、という実感を改めて持ったのである。

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