旅のお話その15〜さらば生月島〜


竹内もです。このままでは今年中に終わりません、15回目です。

だんじく様を後にし、来た道を戻ります。
降りるときに予想したように、登るのもメッチャ大変。
細い急な坂道で、蝉の鳴き声が耳を突きます。

ようやくだんじく様の看板がある所まで戻ってきました。
誰もいないのをいいことに上半身裸でへたり込みます。
汗は滝のように噴き出すのですが、補給する水分がありません。
「かなりヤバイなぁ・・・。」
まだまだひと気のある所は遠いです。

一息ついて、出発。相変わらず晴天で、「台風は一体どこへ行ったんや?」てな感じでした(お忘れかも知れませんが、この頃台風が来ていました)。

足の痛みと喉の乾き、この二つと戦いながら来た道を戻ります。
ハッキリ悟りました。
「この島を見て回るなら、車か、タクシーに一日乗れる財力が必要」と。
徒歩だけでは苦しすぎ。せめて少ないバスに乗れる「時間」が必要です。
私には車も金も時間もありませんでした。

倒れそうになりながら、「島の館」まで戻ってきました。
ここの喫茶室に飛び込みました。その涼しさはパラダイス!
水とコーラを一気飲み、かき氷まで頼んで一気食いです。
ようやく人ごごちがつきました。頭キーン。

さて、そろそろ平戸に戻らないと平戸観光ができません。キリシタン遺物のある平戸城が閉まってしまうからです。
近くのバス停に行き時間を確かめます。すると30分ほど時間がありました。
ふと見ると生月名物の「あごだしラーメン」の店があるでは無いですか。
「あごだし」とは飛び魚の出汁のことです。
「時間もいいしいっちょ食うか!」と思ったところ、私の目は見つけてしまいました。
史跡「八体竜王」の看板を‥‥。(私の目ってば‥‥。)

「八体竜王」もキリシタン遺跡。一つでも多く見ておこう、と思って探しに行ったのですが・・・。
無い、ない、ナイ!
どうもこの遺跡、大変わかりづらいらしく見つけることが出来ませんでした。
バス停まで戻ると、ラーメンを食べてる時間は無くなっていました(泣)。

バスに乗り込み生月島を後にしました。
舘浦港が目に入りました。昔も今も漁業が盛んなのは港を見ているとわかります。
今度は船で入島するのもいいな、と思いました。

そう、きっとまた来ます。まだ見ていないキリシタン遺跡(サンパブロー様、焼山、アントー様、etc‥‥)もいっぱいあります。かくれキリシタンの方にも会ってみたいです。
渡り鳥の拠点である、との話もあります。
今度は充分な準備をして訪れよう、と思いました。

ひとまず「さらば生月島」です。

続く。

96.10.15

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