第4の解[パンダロン]

『シャルトルのステンドグラス』

ランスに行ったならば是非この聖堂のステンドグラスを見たいと思っていた。

パリから1時間、シャルトルはその聖堂以外には特に見るものを持たない小さな街である。駅を降りるとすぐその特徴ある二本の尖塔が望めた。


Notre-Dame de Chartres
塔の一本はロマネスク、もう一本はゴシック様式だそうです。
聖堂内に入ったときの印象は、とにかく『暗い』ということだった。今までに入ったどの聖堂よりも『暗い』。それは有名なステンドグラスがあるということから、何か華やかな色彩の光をイメージしていた私には予想外の『暗さ』であった。そして、その『暗さ』ゆえか、堂内は静謐な空気に満たされ、信仰の場であることを実感させた。

聖堂内の僅かな光は比較的高い場所に張りめぐらされたステンドグラスからのものだけある。そして、そのステンドグラスには『シャルトルの青』と呼ばれる深い青色が多用されている。私の読んだ物によればこの『青』は現代の技術では再現不可能らしい。というのはこれは長い歳月の傷跡、つまり戦災、風雨、微生物等によって深められた『青』なのだそうだ。

なるほど、ステンドグラスを一枚一枚丹念に見ていくと微妙に色合いが違う。まさに『シャルトルの青』と思われる深みのあるもの。と思えばすっきりと垢抜けて輝いているものがある。これは現代になってから修復されたものであろうか。逆に傷みがはげしく黒ずんでしまったものもあった。

このステンドグラスの光が絶えることが無いように、とおもいながら僅かばかり基金をして聖堂を出た。

シャルトルのバラ窓のイメージを思い出しながら描いてみました。
是非とも部屋の電気を消して見てくださいね!

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