第8の解[うえお]

『旅の人数(その2)・・・マントヴァでみんなと』

は旅の後半に飛びます。ブリュッセルでパパと別れた後、フランス経由でイタリアへと向かいました。目的地は、モンテヴェルディゆかりの地、マントヴァです。マントヴァは、ミラノとヴェネチアの中間に位置する、イタリアの古都市です。

ここで、当間先生をはじめとする、合唱団の一行と落ち合うことになっていました。『落ち合う』とは言え、例によって、ちゃんと待ち合わせ場所などを決めている訳ではありません。(^^)みんなが泊まっているはずのホテルの名前と電話番号だけは聞いていましたが・・・。


Mantova
マントヴァの町中を・・・
マントヴァの駅に降り立ってみると、どうやらみんなのホテルは駅の真ん前の様子。僕たちがマントヴァに到着したのは既にお昼を大きくまわってましたから、みんなは既に市内観光に出発した後でした。

僕たちは、そのホテルの隣に宿を取りました。実は、この日の早朝にヴェネチアに着いて、そこからホテルに電話をしたのですが値段が折り合わ無かったのです。貧乏旅行者の僕たちには、ツインで150,000リラ(約1万5千円)は超高級ホテルです。

実は、電話では値段をイタリア語で150 mile lireと言われて、聞き取れなかったので予約せずに電話を切っただけ、と言う話しも・・・(^^;)
お金の話は連載の後半でするつもりなので、ここではちょっと置きましょう。

無事に安宿を確保した僕たちは、早速、町中の観光を兼ねてみんなを捜しに出かける事にしました。マントヴァには歴史もあり、領主の宮殿があった、まさに『古都』と呼ぶにふさわしい街なのです。しかし、幸い(?)街の規模は余り大きくありませんから、みんなとはどこかの観光名所で会えるだろうとタカをくくっていました。


Mantova
・・・当てもなくみんなを探す2人(^^;)
とは言え、そこ『古都』と呼ばれる程の街ではあります。徒歩でまわってたのでは、あっという間に日が暮れてしまいそうです。(マントヴァに着いたのが遅かったせいもありますが。)

ふと宿の中庭を見ますと、自転車が数台列んでいます。部屋係のおばさん(英語不可(^^;))に尋ねますと、

『フロントのレディに言えば鍵を貸してくれるだろうと』
言った様な気がしました。(自分の雇い主をレディとは呼ばんと思うのですが・・・おばさんとしては、精一杯の英語でサービスしてくれたんでしょうね。)

フロントのマダムに尋ねますと、自転車は無料で貸してくれるとのこと。これなら、名所巡りもみんなの探索もラクチンです。(^^)

と言う訳で、自転車で町中を巡りながらドゥカーレ宮殿へとやってきました。ここには、モンテヴェルディが新作を発表したと言われる『鏡の間』があります。宮殿の門をくぐり中庭へ入ると・・・いましたいました!真っ先に目に付いたのは、やはり当間先生のシマシマシャツでした。(^^)

でも実は、当間先生以外の人達は、すぐにそれとは判らなかったんです。木立の間から見かけた、総勢20名を越える日本人の集団。イタリアの古都・マントヴァのドゥカーレ宮殿の中庭という場所が、ちっとも不自然では無かったんですね。あまりにも自然な振る舞いだったんです。やっぱり凄い人達です。(^^)

僕はきっと、あのドゥカーレ宮殿でみんなを見つけた時の(そしてみんなが僕たちに気付く前の)情景を、一生忘れないと思います。僕の大切な思い出となりました。

どんな風景だったか、写真ででもお見せできれば良いのですが、生憎写真は取り忘れました。僕の目に映ったあの風景だけで、もう満足してしまったんでしょうね。(笑)
独身時代の一人旅。パンダロンとのいつも2人旅。ブリュッセルでのパパと3人での旅。そしてイタリアでの総勢30名に迫ろうかという大集団。どれを取っても良い旅でした。旅の方程式は、人数で解くと『解なし(不定解)』という事になるのでしょうか。

第7の解へ
第9の解へ
うえおのトップページへ