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Date: Fri, 26 Sep 2008 03:09:24 +0900
From: OCM-Mag-admin@collegium.or.jp
Subject: [OCM-Mag:00363] □■コレ・マガ■□ −第355号−
To: OCM-Mag@collegium.or.jp (OCM-Mag ML)
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□■コレ・マガ■□

【大阪コレギウム・ムジクム メールマガジン】

                       (NO.355 2008.9.26発行)
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※このメールマガジンでは、大阪コレギウム・ムジクム(OCM)の活動状況、
 演奏会、CD発売などの最新情報をお伝えいたします。

┏♪今週の目次♪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 1.一意直到 〜当間です〜
 2.京都公演へのお誘い
       〜木下牧子/大伴家持の三つの歌  林光/春の曲 巻の一
 3.2009年度室内合唱団・声楽アンサンブルオーディションのお知らせ
 4.演奏会情報
 5.ホームページ情報
 6.編集後記
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 料金誤表記のお詫び ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
   9月28日の『京都公演〜邦人合唱曲シリーズ』のチラシ等に
   おきまして、チケット料金の表記に一部誤りがありました。

    高校生以下…前売り・当日料金ともに1000円となります。

   ここにお詫びして訂正させていただきます。
   団員一同、みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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1.一意直到 〜当間です〜
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明後日の京都公演プログラムに掲載予定の「演奏にあたって」を、当日に先が
けてコレ・マガ読者の皆様にお読みいただきたく、今週の一意直到にかえて転
載させていただきます。

      *****    *****    *****    *****

「邦人合唱曲シリーズ」とは文字通り、邦人つまり我が国の合唱曲に焦点を合
わせた演奏会です。
とは言え、「邦人」という分野の曲種、プログラミングには一考を要します。
用いられている様式の違いは大きく、日本伝統音楽からポップス、ジャズ、そ
して無調の書法まであらゆるジャンルを網羅しています。

私が思う「邦人」とは、「西洋クラシック」に対する概念です。
用いられている言語が日本語であるかどうかが決定的というわけではありませ
ん。
作曲家が日本人であるかどうかも決定的ではありません。
さらに用いられている様式が日本的、ということも関係ないと思います。

私が選ぶ「邦人」とは、日本の奏者、日本での演奏、そして日本の聴衆を充分
に意識して書かれた作品のことです。
敢えて言い換えれば、日本の連なる歴史を刻んでいる音楽、それが私にとって
第一の条件ということになるのかもしれません。
優れた作品は歴史を刻みます。時代を反映します。
作品を生み出す作曲家の生き方が、生きた時代のそれぞれの語り口で表現しま
す。

現代を生きる私たちが「日本」という文化について考える。人について考える。
美しさも、醜さも、人間が(日本人が)包含する全人格的な美意識に触れ、ま
た揺り動かされる。
「日本人とは?」「日本文化とは?」
そのような作品と出会える場、それが「邦人合唱曲シリーズ」でありたい、そ
う思うのです。


林 光「春の曲 巻の一」
私は「林 光」作品のファンであることを自認しています。演奏する度に林 
光の魔法に掛かるのが楽しみです。氏が放つ日本語、そのリズムの面白さに気
づかされます。
混声合唱とピアノ四手連弾(あるいは2台のピアノ)のために書かれたこの作品
はまさにそのことの魅力に溢れたものです。


中島はる 萬葉・防人の歌「手放れ惜しみ」
中島はる氏の作品を取り上げるのは初めてです。日本人の感情を表す楽器、そ
れは箏、そして尺八に勝るものはないでしょう。愛する人との惜別、悔しさ、
哀しさ、愛おしさ、伝統的な響きとヨーロッパを源とする合唱とがどう響き合
うか。
女声合唱と箏、尺八、そしてピアノ。まさに「日本」がここにある、と思うの
ですがいかがでしょう。

千原英喜「東海道中膝栗毛」
千原氏とともに新しい合唱曲を生み出しています。CDも第四巻の発刊となりま
した。これからも続く私たちにとっての骨幹のプロジェクトです。(近々「宮
沢賢治」のCDを制作する予定です)
以前からの計画であった千原氏の「男声合唱」の作品を取り上げました。初演
は「東海メールクワィアー」。男声陣がどのように東海道の旅を歩き進めてい
くか、楽しみです。
また、今日の演奏は来年予定している「大阪コレギウム・ムジクム合唱団」
「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」「京都モンテヴェルディ合唱団」
「名古屋ビクトリア合唱団」の男声合同への「一里塚」。その意味でもこの出
立の意味は大きいと思う私です。

西村 朗「寂光哀歌」
西村 朗に強く惹かれる私がいます。日本を代表する作曲家の一人。その響き
は日本的ではないグローバルなものだと言っていいでしょう、しかしその表現
するところは西洋、東洋を問わず、奥深く人間の感情を熱くする濃い密度を生
み出しています。無伴奏女声合唱によるこの曲、困難さに著しいものがありま
すが「西村トーン」の魅力満載です。音楽の持つ楽しさがここにも確かにあり
ます。

木下牧子「大伴家持の三つの歌」
1996年9月29日初演、第11回国民文化祭富山県実行委員会の委嘱作。
混声合唱による木下牧子サウンドが響き渡ります。合唱の重厚な響き、ピアノ
の豊潤さ。
「できれば50人以上で歌うことが望ましい」と前書きに書くスタイルは、富山
の雄大な自然を描くには必然でしょう。
今回はその数には及びませんが、木下牧子の世界を満喫して頂ければと思いま
す。

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2.京都公演へのお誘い
      〜木下牧子/大伴家持の三つの歌  林光/春の曲 巻の一
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いよいよ明後日に迫りました「京都公演・邦人合唱曲シリーズ」。
演奏曲目より、その内容と聴きどころをご紹介してきましたが、今週は、木下
牧子、そして林光の混声合唱曲2曲をご紹介します。

    *** 木下牧子/混声合唱組曲「大伴家持の三つの歌」***

1996年、富山県で行われた第11回国民文化祭のための委嘱作品。
越中赴任中にその名作のほとんどを詠んだといわれる万葉詩人、大伴家持の歌
からインスピレーションを得て書かれた、3章からなる『混声合唱組曲』とな
っているが…実際これはもう、『ピアノ協奏曲』と言っても過言ではない!

富山の雄大な自然をおおらかに詠んだ長歌。実際は漢字の羅列として今に残さ
れているわけだが、漢字を視覚的にとらえるだけで何かしらの色彩や四季感、
人生観まで脳裏に浮かんで来てしまうのが「日本人」の底流にある一つの文化
ではないだろうか。その心の根源を表出するのは混声合唱の芳醇なハーモニー
と、そしてもう一方の主役であるピアノパート。

第1章では「テヌート気味の重厚なタッチ」、第2章では「指の腹を使った柔
らかいビロードのタッチ」そして最終楽章では「一音一音粒立ちのはっきりし
た堅めのタッチ」というように、ピアニスト出身の作曲家ならではの繊細な指
示が書かれている事からも、ピアニズムに対する熱い思い入れが伝わってくる。

何しろスケールの大きな、色彩的な組曲である。
まず和歌を味わい、イメージを膨らませておいてあとは音に身を委ねる…
そんな聴き方、楽しみ方もよいのではないだろうか。


*** 林光/春の曲 巻の一
      混声合唱とピアノ四手連弾(あるいは2台のピアノのために)***

「春の曲」について林光氏は、「1950年代のなかば、ベンジャミン・ブリテン
の「春の交響曲」(Spring Symphony)にそそのかされて志した、古今の春を
うたった詩の連鎖による祝祭的作品の作曲という夢が、創立50周年を記念する
曲をという、宮崎県合唱連盟の委嘱によって実現した」と述べています。
今回お届けする「巻の一」では、4編の詩で、春を待ち望む冬の夜にはじまり、
凍った大地が次第に解けて迎える早春の喜び、あちこちで芽吹く春の息吹き、
そして永い時の流れの中で連綿と受け継がれ輝くいのちを描きます。

1 雪やこんこ  詩 矢川澄子
   あたりは一面の雪景色。しかし春はもうすぐそこまで来ている。春のお
   とずれに思いを馳せながら、胸ふくらませ、しばし忍ぶ吹雪の夜。

2 早春歓喜  詩 堀口大學
   凍てついた大地、冷たい氷雨、北風の厳しい冬が次第にゆるみ、春がや
   ってきた。大地にぬくもりが帰り、木の芽、草の芽が芽吹く。すべての
   ものが生命に満ち溢れる春を、歓喜の歌で迎える。

3 はる  詩 さなだあきこ
   じゅずだま。やなぎの綿毛。おおいぬのふぐり。あちこちに春の証拠が
   芽吹いている。そして私も春。
   詩の作者のさなだあきこは、この詩を書いたとき小学校1年生だったと
   か。少ない言葉で描かれた世界にみずみずしい感性が光ります。

4 娘たち  詩 茨木のり子
   「娘たち」→「春」と読み替えての一章。
   イヤリング、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、お化粧や様々
   なファッション。遠い昔からくりかえされてきた「よそおい」は「娘た
   ち」の生きたしるしであり、母や祖母の名残の品とともに、連綿といの
   ちをひきついで、「娘たち」は新しく歩みだす。

     *****     *****     *****

3週にわたってご紹介してきました、いずれも個性的な、魅力あふれる5つの
曲。これだけの曲を一度にお聴きいただける演奏会は、なかなかありません!
ぜひ、明後日28日は、京都府民ホールアルティへお越し下さい。
心よりお待ちしています!

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3.2009年度室内合唱団・声楽アンサンブルオーディションのお知らせ
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2009年度の大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団および声楽アンサンブルオ
ーディションを、下記の要領で実施いたします。

 日時:2009年2月7日(土)〜8日(日)のいずれも午後より
 会場:決まり次第、お知らせ致します。
 費用:室内合唱団受験/3000円 声楽アンサンブル受験/4000円

 申込締切:2009年1月20日(火)
    自由曲の楽譜を4部コピーして申込書とあわせて郵送下さい。

 受験内容:
  <室内合唱団員>(2009年2月より1年間、団員として活動)
    ・初見視唱(当日指定します)
    ・課題曲1曲と自由曲1曲の計2曲を歌う
     課題曲:Giulio Caccini作曲 " Amarilli "
     自由曲:3分以内で。課題曲の言語(伊語)以外の曲が望ましい。
  <声楽アンサンブル>
    ・初見視唱(当日指定します)
    ・課題曲1曲と自由曲2曲の計3曲を歌う
     課題曲及び自由曲1曲は室内合唱団員要項に準じるが、自由曲の
     残り1曲はレチタティーヴォ付きアリア。

※課題曲と自由曲のどちらかに
  高声パート(sop.ten)は最高音が二点a(イ)以上を含む作品、
  低声パート(alt.bass)は最高音が二点e(ホ)以上、最低音がg(ト)以下
  を含む作品を演奏すること。

※原則として、伴奏者はご自身でご手配下さい。
 (手配が難しい場合は、ご相談下さい)

※室内合唱団に合格された方の中から声楽アンサンブルとして登録されること
 もあります。

お申し込み・お問い合わせは office@collegium.or.jp まで。

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4.演奏会情報  http://www.collegium.or.jp/html/ensoukai.html
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■今週の新着情報■
・10月マンスリーの曲目を追加しました。
・2009年1月、2月のマンスリーの日程が決まりました。

■今週の割引情報■
 《9/28 京都公演〔邦人合唱曲シリーズ〕》
 《10/26 現代音楽シリーズ》
   コレ・マガ割引(300円引きほか)をご利用下さい。
    →お申し込みはこちら
     http://www.collegium.or.jp/html/ticket_magazine.html
     (もしくは、事務所へ直接お申し込みください。)
  ※65歳以上割引は各定価より300円引き。コレ・マガ割引との併用も可です。

 《12/21 クリスマス・コンサート》
   早割第3弾実施中!(9/28まで)
   この機会をお見逃しなく!!
    http://www.collegium.or.jp/html/ticket.html

♪♪学生、高校生以下、65歳以上割引は当日発売及びOCM事務所のみでの
  取扱いです。すべてのお問い合わせはOCM事務所(06-6929-0792)まで♪♪

***** ◯ O o いよいよ明後日です!o O ◯ ******************************
■ 9/28(日)               京都府立府民ホール アルティ
京都公演[邦人合唱曲シリーズ Vol.14]           午後5時開演
  〜 平成20年度文化庁芸術創造活動重点支援事業 〜
**********************************************************************
http://www.collegium.or.jp/html/hojin14.html
料 金:一般/3,300(当日3,500)学生/1,800(同2,000)高校生以下/1,000
ピアノ:木下亜子、沖田明子
 箏 :菊武厚詞
尺 八:川崎敦久
曲 目:木下牧子/混声合唱組曲「大伴家持の三つの歌」
    林  光/「春の曲 巻の一」
         混声合唱とピアノ四手連弾(あるいは2台のピアノ)のために
    西村 朗/無伴奏女声合唱のための「寂光哀歌」
    中島はる/女声合唱組曲 萬葉・防人の歌「手放れ惜しみ」
    千原英喜/男声合唱のための「東海道中膝栗毛」

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■ 10/26(日)                      いずみホール
第18回現代音楽シリーズ                  午後5時開演
       〜日本人の古(いにしえ)、その心の原泉へ〜
  〜 平成20年度文化庁芸術創造活動重点支援事業 〜
  〜 (財)花王芸術・科学財団助成公演 〜
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http://www.collegium.or.jp/html/gendai18.html
料 金:S/5,000 A/4,000 B/3,000 学生/2,000 高校生以下/1,000
    ・チケットぴあPコード予約(0570-02-9966 [Pコード:296-607])
 鼓 :山内利一
 箏 :菊友仙三津乃
曲 目:柴田南雄/男声合唱と小鼓のための「美女打見れば」
                    (「梁塵秘抄」より)
    西村 朗/無伴奏女声合唱組曲「浮舟」〜源氏物語の和歌による〜
    千原英喜/舞台アート音楽作品「GAGAKU I II」
          ―折口信夫「死者の書」による(委嘱初演)

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■ 10/29(水)                 日本福音ルーテル大阪教会
第316回マンスリー・コンサート【音楽市場】         午後7時開演
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http://www.collegium.or.jp/html/monthly.html
料 金:一般/2,000 シュッツの会会員/1,300 学生/1,000 高校生以下/無料
お 話:当間修一
曲 目:W.A.モーツァルト/弦楽四重奏 へ長調 KV 168  〓NEW〓
         ヴァイオリン…木村直子、西村綾香
         ヴィオラ…白木原有子  チェロ…木村政雄
    A.ヴィヴァルディ/12のソナタ Op.2より第9番 ホ短調  〓NEW〓
         ヴァイオリン…梅垣恭子 
         チェンバロ…沖田明子
                           ほか

☆今後のマンスリー・コンサート【音楽市場】☆
   第317回 11月26日(水)  午後7時開演
   第318回 12月23日(火・祝)午後5時開演
 〜2009年〜
   第319回 1月28日(水)  午後7時開演  〓NEW〓
   第320回 2月25日(水)  午後7時開演  〓NEW〓

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■ 12/21(日)                      いずみホール
クリスマス・コンサート                    午後3時開演
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http://www.collegium.or.jp/html/christmas2008.html
料 金:S/5,000 A/4,000 B/3,000 学生/2,000 高校生以下/1,000
曲 目:J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオ       ほか

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5.ホームページ情報
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大阪コレギウム・ムジクムのホームページ http://www.collegium.or.jp/
にて、OCMの最新情報を随時更新中です!

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6.編集後記
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いつも邦人作品をやる時には、言い間違いや聞き違いから替え歌を作って遊ん
だりするのがひそかな楽しみだったりするのですが、今回は日本の古典がテキ
ストになっているということもあり、そのような余裕はありません(^^;)
どの曲もそれぞれの持つ世界が色彩豊かで、情景が絵を見ているかのように頭
に浮かんできたりして、練習の中でも楽しい瞬間が増えてきました(^^)
いよいよ今週末は京都公演の本番です。ぜひ一人でも多くの方々にお聴きいた
だきたいと思います。アルティでお待ちしております。(小柳津)

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http://www.collegium.or.jp/html/mdwww.html

↓↓↓過去の演奏テープ一覧、及びお申込み ●コレ・マガ購読特典●
http://www.collegium.or.jp/html/tapewww.html

↓↓↓大阪コレギウム・ムジクムCD・ビデオの詳しい情報はこちらへ
http://www.collegium.or.jp/html/cdtape.html

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