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□■コレ・マガ■□
【大阪コレギウム・ムジクム メールマガジン】
(NO.358 2008.10.17発行)
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※このメールマガジンでは、大阪コレギウム・ムジクム(OCM)の活動状況、
演奏会、CD発売などの最新情報をお伝えいたします。
┏♪今週の目次♪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
1.一意直到 〜当間です〜
2.こちらも見逃せません! 〜柴田南雄、西村朗 その魅力
3.演奏会情報
4.ホームページ情報
5.編集後記
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1.一意直到 〜当間です〜
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今日、奈良県葛城市にある、「当麻寺」に行ってきました。
いいお天気でした。
透き通るような青空の下、静かな門前町に疲れた心身も元気を頂いたようで、
気持ちよく一日を過ごして帰ってきました。
今月演奏する新曲が「当麻寺」の中将姫(ちゅうじょうひめ)伝説に因んでい
るため、実際に拝みに行こうとの計画だったのですね。
「当麻寺」本堂に祀られている「蓮糸大曼荼羅」(重文・室町時代)がそれで
す。
二上山のふもと、古の聖地は現在も静かな佇(たたず)まいで、時が止まった
かのように私たち6名を受け入れてくれました。
東大門(仁王門)を入るとまず眼に入ったのは「猫」。一様に耳の一部を切ら
れた猫がゆったりと歩き、また寝そべっています。たぶん、これは寺が管理す
るものなのでしょうか?
私たちにも親しげに近づいてきます。(結果は素通りしていくのですが(笑))
しかしそういった風景が、自然と溶け合っている風は何故か心静かにさせるも
のだったことは確か。(少し猫ちゃんたちの動向が気になりましたが)
境内に入ってみれば絵を描いているグループが幾つか。
訪れる人たちもまばらながら寂しさなど感じられない風格を寺が保っています。
本尊の横に安置されている中将姫の像ともご対面。
その前にある部屋が曼荼羅を織ったと言われている場所。
今回の最終ステージの場面でもあります。
残念ながら今回は二上山へは昇ることはできませんでしたが、来られて本当に
良かったです。
また、二上山の日の入り(夕日)も今回の舞台のテーマの一つなのですがこれ
もタイミングが合わず残念でした。
しかし私の頭の中では真っ赤に染まった天二上山(アメフタカミヤマ)が見え
ます。舞台で実現できればいいのですが・・・・。
帰りはやはり<食い気>。(笑)
近鉄「当麻寺」駅前の当麻名物「よもぎ餅(中将餅)」を食べたのですが、こ
れが美味かった。
家でも食べたく、お土産に買ってきたほどです。
お店の店頭で接客をしていたお嬢さんといい、また昼食のため、お寺に入る前
に入った門前のお店のお嬢さんといい、その風貌と、その面持ちについ主人公
の郎女(いらつめ)〔藤原南家の姫〕とダブらせてしまう私。
ちょっと「大津皇子」が入った私だったかもしれません。(これは恐〜いかも
(笑))
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2.こちらも見逃せません! 〜柴田南雄、西村朗 その魅力
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来る26日の現代音楽シリーズでは、千原氏による新しい舞台芸術の世界が話
題になっていますが、もちろん、それだけではありません!
今週は、柴田南雄、西村朗両氏の作品の魅力をご紹介します。
******** 男声合唱と小鼓のための「美女打見れば」(「梁塵秘抄」より)
平安時代末期に院政を敷いたことで有名な後白河法皇は、当時の流行
歌であった「今様」を大変好み、あまりに歌いすぎて3度も喉を壊し
たといいます。その法皇が今様を後世に残すために編纂した「梁塵秘
抄」がこの曲のテキストとなっています。
6曲からなる「美女打見れば」には、そのタイトルのとおり若い男性
が美女を見たときの男心を歌ったものや、当時流行したファッション
についての歌、またかたつむりに「角出せ角出せ、でないと…」と迫
る童心の歌など、今の私たちから見てもとても共感しやすい歌が多く
用いられています。
また、「梁塵秘抄」による柴田南雄の曲は他に女声・混声合唱が1曲
ずつあるのですが、唯一の男声合唱であるこの曲では、男性らしさが
強く出ているのも特徴と言えるでしょう。
現代に生きる私たちは古典の言葉にはすっかり疎くなってしまいまし
たが、当時に生きた人々も私たちと変わらない気持ちを持っていたこ
とを実感できるのは、古典の大きな魅力ではないでしょうか。
西洋音楽とは違う独特の響きを持ちながら、かといって伝統的邦楽と
同じでもなく、日本の新しい音楽を生み出している「柴田サウンド」。
私たちの国の音楽の未来に向かって何かを指し示している、そんな柴
田南雄の音楽と古典テキストとの巡り合わせは、私たちの歴史が過去
から未来へと連なっていることを再認識させてくれます。
******** 無伴奏女声合唱組曲「浮舟」〜源氏物語の和歌による〜
先月の京都公演で演奏しました「寂光哀歌」の姉妹作品。源氏物語の
「宇治十帖」をモチーフとしています。対照的な性格の二人の貴公子
から愛され、苦しむ姫君、浮舟・・・
曲は、1.匂宮 2.薫 3.浮舟 の3曲。
原文に用いられている和歌のみがテキストです。1、2曲目はそれぞ
れ、匂宮と浮舟、薫と浮舟のやり取りした和歌、3曲目は死を決意し
た浮舟の和歌のみで構成されています。
1曲目は、情熱的な愛と苦しみを、2曲目は端正な音楽の流れにのせ
て、抑えられた心情を、終曲は、死にのぞむ浮舟の絶唱を、西村作品
独特の、凝縮された緊張感、印象的なヴォカリーズで表され、たゆた
う心の危うさが胸に切なく迫ります。
シュッツ合唱団でしか聴けない、男声合唱、女声合唱の響き、どちらも見逃せ
ません!ぜひ、ご期待下さい!
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3.演奏会情報 http://www.collegium.or.jp/html/ensoukai.html
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■今週の新着情報■
・10月マンスリーの曲目を追加しました。
■今週の割引情報■
《10/26 現代音楽シリーズ》
《12/21 クリスマス・コンサート》
コレ・マガ割引(300円引きほか)をご利用下さい。
→お申し込みはこちら
http://www.collegium.or.jp/html/ticket_magazine.html
(もしくは、事務所へ直接お申し込みください。)
※65歳以上割引は各定価より300円引き。コレ・マガ割引との併用も可です。
♪♪学生、高校生以下、65歳以上割引は当日発売及びOCM事務所のみでの
取扱いです。すべてのお問い合わせはOCM事務所(06-6929-0792)まで♪♪
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■ 10/26(日) いずみホール
第18回現代音楽シリーズ 午後5時開演
〜日本人の古(いにしえ)、その心の原泉へ〜
〜 平成20年度文化庁芸術創造活動重点支援事業 〜
〜 (財)花王芸術・科学財団助成公演 〜
〜 (財)サントリー音楽財団推薦コンサート 〜
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http://www.collegium.or.jp/html/gendai18.html
料 金:S/5,000 A/4,000 B/3,000 学生/2,000 高校生以下/1,000
・チケットぴあPコード予約(0570-02-9966 [Pコード:296-607])
鼓 :山内利一
箏 :菊友仙三津乃
曲 目:柴田南雄/男声合唱と小鼓のための「美女打見れば」
(「梁塵秘抄」より)
西村 朗/無伴奏女声合唱組曲「浮舟」〜源氏物語の和歌による〜
千原英喜/舞台アート音楽作品「GAGAKU I II」
―折口信夫「死者の書」による(委嘱初演)
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■ 10/29(水) 日本福音ルーテル大阪教会
第316回マンスリー・コンサート【音楽市場】 午後7時開演
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http://www.collegium.or.jp/html/monthly.html
料 金:一般/2,000 シュッツの会会員/1,300 学生/1,000 高校生以下/無料
お 話:当間修一
曲 目:W.A.モーツァルト/弦楽四重奏 へ長調 KV 168
ヴァイオリン…木村直子、西村綾香
ヴィオラ…白木原有子 チェロ…木村政雄
A.ヴィヴァルディ/12のソナタ Op.2より第9番 ホ短調
ヴァイオリン…梅垣恭子
チェンバロ…沖田明子
C.S.シェーネベック/Zwei konzertante Duos Duo1番
ヴィオラ…白木原有子、法橋泰子
G.F.ヘンデル/オーボエ、ヴェイオリン、通奏低音のための
6つのソナタより 4番 ヘ長調 HWV 383 〓NEW〓
オーボエ…福田 淳 ヴァイオリン…森田玲子
チェンバロ…沖田明子
ほか
☆今後のマンスリー・コンサート【音楽市場】☆
第317回 11月26日(水) 午後7時開演
第318回 12月23日(火・祝)午後5時開演
〜2009年〜
第319回 1月28日(水) 午後7時開演
第320回 2月25日(水) 午後7時開演
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■ 12/21(日) いずみホール
クリスマス・コンサート 午後3時開演
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http://www.collegium.or.jp/html/christmas2008.html
料 金:S/5,000 A/4,000 B/3,000 学生/2,000 高校生以下/1,000
・チケットぴあPコード予約(0570-02-9966 [Pコード:305-290])
曲 目:J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオ(第1部〜第3部)
クリスマス・キャロル集
ほか
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■ 2009/3/15(日) 第一生命ホール
第15回東京定期公演「宮沢賢治の世界」 開演時刻未定
〜 平成20年度文化庁芸術創造活動重点支援事業 〜
〜 (財)ロームミュージックファンデーション助成公演 〜
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曲 目:未 定
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4.ホームページ情報
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大阪コレギウム・ムジクムのホームページ http://www.collegium.or.jp/
にて、OCMの最新情報を随時更新中です!
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5.編集後記
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子供の頃買ってもらった本に「悲劇の王女物語」だったかそんな題名の本があ
りました。運命に翻弄され、悲劇に直面しながらも精一杯生きた世界中の様々
な時代のお姫様の物語です。中でも一際印象に残ったのが、大伯皇女の物語で
した。
天武天皇の後継を巡って謀殺されたとされている弟・大津皇子を思って詠んだ
六首の歌に込められた悲哀に胸をしめつけられる思いがしたことを良く覚えて
います。
権謀術数に翻弄され、歴史の奔流の中に沈んでいった滅ぼされた者達の思いが、
正史から消されても、万葉集等に残され、現代の私たちの心を打つ。いつの時
代も同じようなことを繰り返してきた人間の愚かさや悲しみ、そしてその思い
を昇華させたいと切に願う思いは、時を経て今を生きる私たちにも通ずるもの
があることを感じずにはいられません。(中村)
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TEL/FAX 06-6929-0792
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