
『遠野物語の世界を行く~思いがけない再会
みちのく一人旅'99その13』(2003/06/02)
12時半頃の釜石線の列車に乗り込み、遠野へ向けて出発しました。途中、東北新幹線の新花巻駅を通過、平野からだんだん山深くなってきます。
1時間ほどで、遠野に到着しました。早速、宿に荷物を置き、駅前で自転車を借りて出発です。時間は1時半を少し回ったところでした。
予備知識と言えば、遠野物語の舞台であり、河童や座敷童などが登場することで有名といったことぐらいで、行きの列車の車内でガイドブックを一通りみて、「河童淵」と「デンデラ野」ぐらいは見ておきたいなぁと考えていました。
市内を抜け、遠野の平野へと向かいました。市街を抜けるまでは走ってて少々つらいものがありましたが、それを抜けると、花巻とはまた違った田園風景がありました。
ただ、花巻ほど時間がとれなかったのと、自転車を返す時間のリミットが5時ということもあって、気ままに走ると言うわけにはいきませんでした。それと、事前にここには行きたい!見ておきたい!という場所が、僕の中で少なかったのも重なり、遠野の本当の良さみたいなものは味わえなかったかもしれません。
一応、伝承園、河童淵、デンデラ野、山田の水車小屋、などは見てきたのですが、終始、残り時間が気になって、今一つ集中できませんでした。
花巻のレンタサイクルの店はコンビニがやっていた関係上夜の10時まで経営していて、帰す時間のことをほとんど気にする必要がありませんでした。実際僕は、朝の9時頃から夜の7時前まで借りていましたから。(^^)
やはり、ここでも丸一日時間がほしいところでした。きっと思うままに走れれば、良かったんだろうなぁと言う風景がそこかしこにあったからです。
でも、結局後で地図を見ると、少なくとも20km以上は走り回ったようです。(まだ走り回りたいか?>僕)
少し早めに市街地へ戻り、時間もあったので、遠野の駅からすぐのところにある、「とおの昔話村」というところに行くことにしました。遠野の古い建物などを移築して、その中に、資料などを展示してあったり、逆に生活の雰囲気をそのまま残してあるものもありました。遠野のダイジェスト版のような感じの施設です。
ここでもあまり時間のなかった僕は、駆け足で見て回りました。建物の一つを出ようとしたとき、外にいた男性と目が合いました。
お互いに暫しの沈黙の後、「おぉ!」挨拶を交わしたのは言うまでもありません。彼は大学の合唱団時代の後輩の青田君こと青ちゃんでした。そばには彼と同期で今年の2月に結婚した愛ちゃんもいました。今、彼らは仕事の関係で東京に住んでいます。
とにかくびっくりです。まさかここでばったり会うとは!僕は大阪から4日前に、彼らはこの日に東京から東北入りしたそうです。なんという偶然!合唱団の東京公演には来てくれるので、その時には確実に会えますが、何も示し合わせているわけでもないのに・・・。
ここを見終わった後、喫茶店に入り、お互いの近況報告などの話に花が咲きました。
彼らは、たまたま遠野に来たんだそうです。今晩は花巻温泉郷に泊まるとか。(良いなぁ・・)花巻まで戻る列車の発車時間ぎりぎりまで話をして別れました。
こんな偶然があるもんなんだなぁ・・としみじみ感じ入ってしまいました。旅の終わりにこんな出来事があるなんて。
明日はいよいよ帰阪です。

<
前頁 |
目次 |
次頁>
このシステムはColumn HTMLをカスタマイズしたものです。