日本国紀 百田 尚樹著


まず、これをまとめ上げた
百田氏の仕事に敬意を表したい。
歴史なので、諸説あるだろうが、
この書籍の意義は大きい。
特に近現代史は、この本の7章以降で
流れがつかめると思う。
本来は歴史学者の仕事なんだろうが、
それを望むのは難しいことは本書を読めばわかる。
なんだかいろいろ言っている筋(左)もあるようだが、
内容を見る限り、
偏った書き方にはなっていない。
この内容がどう見えるかが
ある種リトマス試験紙になっているんだろう。
この書籍をきっかけとして、
他の人が書いたものを読むことをお勧めする。
今は、廃刊になったものでも、
Amazonや、古本のネットワークで手に入る。
今、世界で起こっていることを見つめる上でも
若い世代に読んでほしい1冊。
教誨師 堀川 惠子著


何年か前に読んだなぁと思いつつ、
単行本は部屋のどこかに埋もれているので、
文庫版を再度購入して読み直してみた。
きっかけは大杉漣さんが主演する映画を観たからだ。
うっすらした記憶で、たしか仏教系の教誨師だったのになと思った。
映画ではプロテスタントの牧師になっていた。
映画とこの本は関係がない。本はノンフィクションだからだ。
読み直してみて、やはり凄い内容で、
だからこそ映画に対して今一つな感覚になったのは
間違いなかったと確認した。
同時に、この教誨師をフィクションで描く難しさも感じる。
映画を観た方にも、見てない方にも
重い内容だけれど、読むのを勧めたい一冊でもある。
いま君に伝えたいお金の話 村上世彰著


恥ずかしながら、
かつてこの著者、村上世彰氏に対する印象は
良くなかった。
完全にマスメディアが造り上げたものに
踊らされていた。
その後、氏が監修した
「マネーという名の犬 12歳からの「お金」入門」を読んで
印象を改めた。


この本と「いま君に伝えたいお金の話」は
子供たちに向けられたメッセージだ。
もちろん、僕みたいなオッサンが読んでもOKだろう。
普段避けがちな「お金」のことについて
丁寧に解説されている。
懸念するとしたら、氏が読んでほしい
子供たちが手に取るかどうかということだ。
これを読ませようとする親なら、
その子供は、ある水準以上の家庭にいると考えられる。
だが、村上氏が読んでほしいのは、
これを読ませる発想すらない親の元にいる
子供たちではないか
と思ってしまう。
小学校、中学校、高校の図書館にあるといいなぁ。
もちろん大学も。
子供たちがこの本に出合うといいな
とオッサンは思った。