1997/4/11
<「武満」のCDR完成の巻>

(今回の担当:Bass長井洋一)

ついに武満徹の「うた」と「風の馬」のCDRが4月8日に完成しました。
CDRというのは、CDを作るための原盤となる試作CDでして、
このCDRをコピーしてCDを作ることになります。
しかし、ここまでくるのにすんなりといったわけではありませんでした。
録音はすでに昨年の7月と11月に終わっていました。
録音さえ終わっていればすぐCDが出せると思われるかもしれませんが、
それがなかなかそうはいかないんです。
CDを出すにあたって、演奏以外にも気を配らなければならない点が
たくさんあるのですが、その中でも重要なのが、<曲間>なのです。

「うた」には3分程度の曲が12曲入っています。
そしてその12曲の曲間の長さが問題なのです。
短すぎると、前の曲のイメージが残ったままで次の曲に入いってしまうので
よくありません。
かといって長すぎるのも問題で、適当な長さにするのに時間を要しました。
また、無音の部分からのフェードイン、アウトの状態など、結構細かな配慮が
必要なんです。

しかし、今度のCDはこのこだわりに値するすばらしいCDであることは
間違いありません。
人間の声とはこんなによくハモルんだということを、実証したCDです。
和声も単純ではありません。不協和音のオンパレードです。
しかし、その不協和音も不協和音に聞こえないすばらしい音の混じり方なんです。
たとえば「さくら」は最初の和音はド,レ,ミの3つの音から始まります。
こんな音をピアノで弾いたらそれはそれはひどい音がします。
しかし、人の声で鳴らすと、これが全く違う美しい和音になるんです。

不思議でしょうが本当なんです。

嘘だと思う方は、<CD買ってください>。今月中には発売予定です。
Bachのモテット全曲演奏の4/29には間に合うでしょう。
そうそう、Bachのモテットの練習も大変なんです。あ〜いそがし、いそがし。  
         (◯)   (◯)
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ 
         │       │
         │  ・ <  │
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          KUMASAN 
                                        (※「くまさん」は副指揮者、長井さんの名物署名なのです!(注釈:倉橋))   
  


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