(今回の担当:SOP.渡辺明子)
ホテルで昼食をとった後はバスで移動です。
飛行機の中での異様なマスク集団の話はコアマスターも書かれていましたが、ここ
レニンでも同様でした。バスからマスクをした集団が降り立つと、皆異様なものを見
るかのようです。
ドイツ人のおじさんが私に「どうして君たちはマスクをしているんだ?」(←もちろ
んドイツ語:渡辺による意訳)と聞いたのですが、「我々は歌い手で乾燥喉を守るた
めにしていて、決して変な病気を持っているわけではないのですよ」と伝えたかった
のに、ほとんど何も言えないまま困っていると、「もういいよ」と言わんばかりに無
言で私の頭をぐりぐり撫でて去っていってしまいました。
(子供扱いされてしまった・・・・)
レニンのSt.Marien修道院は付属の施設も色々あるようで大きな建物でした。演奏
会場は縦にとても長くて天井の高い聖堂です。こういう構造の場合はバッハのモテッ
トなどメリスマの多い曲は残響が多すぎて合わないことが多いのですが、やはりここ
もそうでした。
それでもなんとかするのが私たちです。
どのような会場でも一番良い演奏ができる立ち位置と響かせるポイントを探してリハ
ーサルをします。私たちも慣れてきて割合早く響かせるポイントをつかむことができ
るようになってきたのですが、この日は立ち位置を決めるのがとても難しかったです
。後ろの方に立てば、きれいに聞こえるが、輪郭がはっきりしない。前の方はその逆
で、一長一短、どちらを選ぶべきか迷いました。そこで、納得がいくまで、バッハの
モテットの後半、フーガの部分を歌いながら、前に行ったり後ろに行ったり、前に行
ったり、後ろに行ったり・・・・。
エンドレスフーガになってしまいました。
リハーサルを終え、休憩です。今日の女声の控え室は修道院付属施設の一室をお借
りしました。その施設の中庭の中央には涸れ井戸があり、その周りには美しい花壇が
あって、その中庭を眺めながら軽食を食べました。(この日の軽食は教会の方が全て
手配してくださったのですが、美味しいのでどんどん食べてしまって、まだ聖堂の中
でリハーサルをしていたオルガニスト松原晴美さんの分も残さず食べてしまいました
。晴美ちゃん、ごめんなさい。)
#この軽食を用意して下さった方達はまた後で私たちを驚かせることになります。
夏季音楽祭の演奏会であったせいでしょうか、聖堂は後ろの方が見えないほどお客
さんが一杯!!
お客さんがまたたくさんいらっしゃると燃えますねぇ〜!!
で、この日もまたまた熱い演奏となりました。ペルトのマニフィカートが特に印象に
残っています。
演奏会の最後の曲は「追分節考」でした。「う」を歌う若山さんや「わ」のなげえ
ちゃんは「うちわ」(8/10合唱団日誌参照、演奏旅行委員会の手作りで思い入れもひ
としおの逸品)の販売促進のためうちわをもって歩いていたのですが、この日はさら
なる販促活動のため「い」のうちわも出動しました。(この日、全演奏会を通じて最
高の売れ枚数を記録しました!パチパチ・・・・)
どうやらこの「追分」、男声のパフォーマンス(「俗楽旋律考」に対するプロテスト
や会場を歌いながら歩くときの歩き方や小物)がだんだん凝ってきているらしいので
す。本番の後の女声の控え室では、「今日の瀬尾さん」の動きの報告をはじめ、男声
の動きの目撃証言が色々とされていました。(この報告がまた面白いんです!)
アンコールの最後の曲「Abschied Lied」はこの日は新たな試みでお客さんを団員 で取り囲んで歌いました。お客さんはとても喜んで下さったようで、団員の中には抱 きしめられた人までいました。
演奏会が終わった後もびっくりすることがありました。
なんと、「団員全員のサインが欲しい」という人が現れたのです。指揮者とかソリストとかは今まで何度もあったのですが、「All people, please」です。そのサインを求めた人は私たちの軽食を準備して下さったきれいなお姉さんだったのです!私たちの歌いっぷり(もしかして食べっぷりかも?)を気に入ってもらえたようで、嬉しいエピソードでした。
この日の打ち上げは昨年ケストリッツでお世話になったブッヒャーさん(シュッツハ ウスの副館長)とそのご家族、教会の牧師夫妻らのゲストを迎え、またまた楽しいひ とときを過ごしたのでした。
いよいよ、明日は最後の演奏会です。お楽しみに!!
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