(今回の担当:SOP.小野容子)
今回、私はステージマネージャーでこの演奏会の様子を舞台そでから見ていました。
そんな私の目から見た当日の様子です。
9時30分から始まったゲネは休む事なく進んで行きました。
いつもは夜本番なので、ゲネはお昼からが普通です。朝一番からフルヴォイスでがんばるのは相当きつい事ですが、皆フルでがんばっています。カザルスホールのオルガンと合わせるのも初めての経験で、オルガンの音色、合唱とのバランスなど一つ一つ確かめての演奏は緊張感が漂っています。
ペルトの「スターバト・マーテル」の時でした。セッティングの時にチェロの大木
先生が舞台に上がって来られました。床を見ながら「さすがはカザルスホールですね
。チェロを刺してできた穴がいっぱいだ」とおっしゃたのでした。見ればなるほど、
上手半分の床には小さな穴が無数にあいています。「上手(かみて)半分ってのがやっぱりチェロやな」などと思いながら、ここが「カザルス」縁のホールであったことを思い返しました。
それから「宇宙について」のシアターピースでの動きの最終チェックや移動位置や
照明の確認など、通しながらやっているともうお昼を回っていました。ゲネで既に一
回公演をやり終えたと言うほどにみんな力を出していました。
そして休んだかどうかわからないうちに本番です。
お客様でいっぱいの客席のライトが落ちると静かにそして熱く「オケゲムの死を悼
む挽歌」がはじまりました。ステージドアの覗き窓からお客様の表情がよく見えます
。(1〜2列目と2階席の方が特に。ここは学生の方がほとんどだったみたいで、情宣
で伺った合唱団の皆さんの見覚えのある顔がたくさんでした。)曲が進むにつれて食
い入るようにステージを見つめる方、目を丸くして聴いている方、ニコニコしながら
聴いている方、表情は様々でしたが皆さん「いい顔」で聴いて下さっています。
舞台そででは中の様子が充分にはわかりませんが、「疲れを感じるところもあった
けど、きっと上手くいっているんだ」とその表情で感じることが出来ました。
そしていよいよメインの「宇宙について」です。団員の奏でた響きはホールを包み 込みました。その異次元空間の中でお客様はびっくりした様子です。中の様子が充分 にわからない舞台そでですら、その空気を感じることが出来ました。「中にいたらど んな事になってるんやろうか」そう思いながらドアにへばりつき状態でした。 華厳経が終わった時、涙がこみ上げてきたのは、私だけではなかったでしょう。
こうして今年も全力投球の熱い東京公演は終わりました。
最後もう一度ですが、御来聴下さった皆様ありがとうございました。
そして!!
・・・来年もまたカザルスホールで公演することが決まりました。
来年度は、1999年11月13日(土)です!!!
来年の話をすると鬼も笑っちゃいますが、(^^;)
来年も「東京定期公演」にお越し下さいますよう、まっさらのスケジュール帳に
ご記入の程、気の早いお願いですが、どうぞよろしくお願い致します!!
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