2000/4/16
<男声練のある風景>

(今回の担当:TEN.阿部 剛)

ふっと顔を見上げると、時刻はまもなく7時になろうとしている。

・・・い、いかん!
慌ててコンピュータの電源を落として、鞄を取り
「お疲れさまでした〜〜、お先でぇ〜〜す!」
と、足早に職場を離れる。上司がなんか言ったようだが聞こえないふりをする。

職場の最寄り駅から大阪へと向かう。JR大阪駅を降り、そこから乗り換えて
男声練の場所へと向かう。

ようやく男声練の場所に着く。もうすでに始まっていた。
そこからはテノールとベースのハモリが漏れ聞こえている。

ドアを開けるとそこにはいつものメンバーが顔をそろえていた。

・・・・とまぁ私、阿部が男声練に行くまでの一コマです。

さて、この金曜の練習は、曽根の公民館の多目的ホールでした。
仕事がちょっと立て込んで、いつもよりの遅くの到着でした。

部屋のドアを開けると、中にはベースの3人、
淺野くん、坪沼くんそして谷やんこと谷川君がいました。
さすがに年度替わりで忙しいようです。というわけで今日は少な目です。

聞くと、他のメンバーも、そう、変わらない時間に到着したとのこと。

早速練習を始めました。現代音楽シリーズで演奏する「おらしょ」です。
テノール一人、ベース一人、バリトン二人という編成での練習です。

寂しいと言えば寂しいんですが、実はこれが結構面白かったりするのです。
これだけ少ないので、合っているか合っていないかははっきりわかります。

ごまかしようが無いわけです。でも逆に合ったときは良いですよぉ(^^)

和音が軋(きし)んで、そして合うという過程がとてもよくわかるのです。
ですので練習をしていると言うより、和音を楽しんでいる方が長いかもしれません。

この日は時間もなかったので「おらしょ」の練習だけで終わりました。

シュッツ合唱団ではいつからか、テノール、ベース個々のパート練習ではなく
男声が一緒に練習をする「男声練」というのが定着しています。
というのは、一つは男声の人数が女声よりも少ないこと、
もう一つ、それとこれが一番大きいと思いますが、
【ベースラインを聞きながら練習できる】というのは、
何にも代え難いメリットなのです。

はっきりとは言えませんが、個々でやってきた時よりも、男声の声が
合ってきたように思います。僕個人もベースラインを強く意識するように
なりましたから。

これ以外には、本筋とは関係ない、よた話にも花が咲きます。

なげえさん(ベースの長井洋一)の絶妙なたとえ話も面白いですし、
きゃーさん(テノールのパートリーダーの河村)の普段は静かなのに、
思い出したように発せられる一言もなかなか面白いですよ。

つまり、真剣に歌う時間とよた話に花が咲く時間のバランスで
男声練が過ぎていきます。

合唱団の練習日とは違う雰囲気が、空気がそこにはあるのです。

というわけで、男声練のある風景でした。


Back

Next