2000/9/6
<迫る9/8!バッハ「モテットの夕べ」へのお誘い>

(今回の担当:ALT.小柳津ゆう子)

まだまだ残暑厳しい日々が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今年前半の演奏会を終えホッとするのもつかの間、合唱団は怒涛の後半戦に向けて本 格的に動き出しました。そのトップを飾るのが9月8日(金)に行われるいずみホール主催の「モテットの夕べ」です。J.S.バッハのモテットを中心として、武満徹の「うた」やオルガン独奏も加わり、とても充実したプログラムになっています。

バッハの合唱作品の中で、モテットは受難曲やミサ曲などに比べると一見目立たない 存在のように見えます。お葬式や追悼礼拝のために作られた曲が多いのですが、バッハはテキスト・音楽の両方を通して、死んだ人だけでなく、生きている私たちにもたくさんのメッセージを残してくれています。

今回はその中から3曲を演奏します。ハーモニーや音色、各コーラス・パートのメロ ディの絡み合いなど聴きどころ満載なのですが、そのことにプラスして、それぞれのテキストの言葉ひとつひとつにこめられたバッハの熱い思いに迫ります。
余談ですが、バッハの合唱作品の中で私が初めて歌った曲が今回演奏するモテットの 中のひとつ「Jesu,meine Freude」でした。大学生の時です。その当時の私は、バッハに対して苦手意識がありました。ピアノを習っていた頃、バッハの曲が難しくてイヤでイヤでたまらなかった記憶が残っていたからでしょうか。しかし、この曲との出会いで、私の中のバッハの音楽に対するイメージがガラッと変わりました。「バッハの音楽は難しいけど、おもしろい!」ということを体感させてもらった、大切な曲です。そんな思いがあるからかどうかはわかりませんが、モテットを演奏する、あるいは聴く機会があるたびに、どこかから「原点に戻りなさい」という声が聞こえてくるような、そんな気持ちになります。
私には、モテットはバッハの魅力がギュッと詰まった宝石箱のようなものと思えてならないのです。
「バッハのモテットはすごい!」ひとりでも多くの方にそう感じていただければうれ しいです。
そして、バッハのモテットとあわせて、武満徹の「うた」から4曲を演奏します。
日本語の持つ美しさ、そして繊細であたたかみのあるハーモニーをいっぱいお届けしたいと思います。

また、アンサンブル・シュッツの松原晴美さんのオルガンでバッハのコラールを2曲 お聴きいただきます。今回のように合唱の間にオルガン独奏をはさむ形というのは、過去数回行われたドイツでの演奏会を思い出させてくれます。あのドイツでの演奏会の雰囲気を少しでも感じ取っていただけるでしょうか?!

バッハと武満が残した「こころの歌」をぜひお楽しみください。
金曜日の19:00開演ですので、ご家族やお友達とご一緒に、お勤めの方は会社帰りにいずみホールへお越しくださいませ。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております!


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