2000/9/7
<「魂の響き」満喫しました!〜室内合唱団合宿見学日記〜 >

(今回の担当:SOP.松浦由佳)

Sop 松浦です。
朝晩めっきり涼しくなりましたがいかがお過ごしでしょうか?
秋の訪れを感じる今日このごろ、室内合唱団のメンバーは
9月8日に行われるバッハのモテットの演奏会に向けて
猛練習を重ねています。
9月2日、3日には能勢で合宿が行われました。
今回は「お客さん」として参加した私が
その2日間にわたる合宿の様子を日記にして
お伝えいたします。
長文になりますが、どうかお付き合いください。

9月2日(土)

久しぶりの能勢での合宿です。14時をすぎる頃、続々と
合唱団のメンバーが到着し、パート練習が始まりました。

しばらくして当間先生到着。全員集合して、最初は先生のお話から始まりました 。

この合唱団を含む「大阪コレギウム・ムジクム」の25年にわたる歴史を振り返り ます。
特に合唱団の歴史は興味深いものでした。
(この話は現在、当間先生のホームページで連載中です。)
私はこの合唱団が誕生した1977年に生まれました。つまり、この合唱団と同い年 です。
ですからつい、自分のこれまでの生い立ちと重ね合わせてしまいました。
私がまだ赤ん坊だった頃からこの合唱団が存在し、成長を遂げてきたのだと思い 、歴史の重みを感じてしまいました。

その後、いよいよバッハのモテットの練習が始まりました。
先生は各曲の解説を交えながら練習を進められます。
歌詞の意味を考えた曲の表現。難しいです、ほんとに。
細部にわたって先生の指示が飛びます。言葉で表現できない部分は
先生は指揮を振って指示を出されます。先生の指示を楽譜に書き込んでいた私は
困り果ててしまいました。記号や言葉で表せるものではありません。
これは歌い込んで体で感じるしかないんだなあ、と思いました。
でも、聞いていて、徐々に曲が作り上げられていくのがわかりました。
まるで曲に魂が吹き込まれていくような感じでした。
1日目は「Jesu, meine Freude」と「Komm, Jesu, komm」のみで終了。
みなさん1日目でもう疲れ果ててしまっていました。
(でも、夜の宴会は午前1時頃までしっかり参加されてましたけど・・)

9月3日(日)

前日に降っていた雨もあがり、すっきりと晴れわたりました。
こんな朝はやっぱりお散歩でしょう、とばかりに私は合宿所近辺を
30分ほど歩いてみました。
能勢の里はもう秋です。田んぼの稲は実りはじめ、吹き渡る風が
とてもさわやかでした。

合宿所に戻ってほどなく練習開始。外は秋ですが、合唱団は熱い!
朝から全力で歌います。午前中は「Komm,Jesu,Komm」と
「Jinget dem Herrn ein neues Lied」。曲の中で伝えたい部分を
浮き彫りにさせる、そんなイメージのある練習でした。
低い音域でなかなか表に出てこられないアルトに、ソプラノや
なんとベースから一部分だけ「助っ人」に登場するという離れ技(?)
も登場。これにはビックリでした。

練習が進むにつれ、歌っているメンバーが曲に入り込んでいくのがわかりました 。
表情が本当に生き生きとして、全員がまさに一つになってメッセージを伝えよう としている、そんな感じがしました。まさに「魂の響き」でした。
午後からの通しでは、聞いている私も一緒にそれぞれの曲の世界に入り込んでい ました。
これが演奏会で「演奏者とお客さんが一つになる」ということなんだなあと思い ました。

武満の「うた」の練習では、言葉が日本語なだけに、元々伝わりやすかったので すが、楽譜に書かれている強弱等の指示を忠実に表現することで立体感が出て、さらに心に迫る演奏になっていたように思いました。みなさんの表情がホントに良くて 涙が出そうになりました。

こうして2日間の密度の濃い合宿は終わりました。
この2日間、私は1度も歌うことがなかったのですが、本当にいろいろな意味で
得ることの多い合宿でした。自然の中でこんなにステキな演奏を聴いた2日間は、至福の時間でした。
本番まであと少し。室内合唱団のメンバーは最後の練習に励んでいます。きっと 最高の「モテット」、そして「うた」ができあがることでしょう。
演奏会が楽しみです。

9月8日(金) いずみホールで19:00開演です。
みなさんもぜひこの素晴らしい演奏を聞きにお越しください。お待ちしています 。


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