No.536 '04/1/7

古(いにしえ)の「新しい音」


金沢にお住まいの鳥井さんに案内していただいて金沢の街を廻りました。
鳥井さんはこちらで合唱活動をしていらっしゃる方、Mailのやり取りや練習の見学に来ていただいたりでお知り合いになりました。

ホテル迎えてきていただいて、午後2時半頃出発。
まずは、「兼六園」へと向かいました。
鳥井さん、<一夜漬けの勉強>ですがとおっしゃりながら、いろいろ説明しながらガイドをして頂きました。
私の知らないこともあって大変勉強になりました。やはり地元の人の説明には重みがあります。

次は鳥井さんお薦めの「金沢蓄音器館」へ。
実はこれがとても印象的。いや感動的な「音」との出会いとなりました。
「蓄音器」といえばゼンマイ仕掛けでレコード盤を乗せたターンを回し、盤に刻み込まれた音の溝を針に伝え、振動を増幅させて音を出すいったいたってシンプルな再生機。
音の大きさにも驚きましたが、その温かい<電気を一切使っていない>生の音がとても素敵でした。
明治、大正、昭和初期の響きがよみがえります。
現在のCDが如何にハードなものかが解りますね。人間には聞こえないほどの高音や低音の音をも入っているCDと、人間に聞こえる範囲内で録音され、再生される音との比較はなかなかスリリングでした。
「音」の再生に関する進化とは何か?考えさせられる一時でした。案内していただいた鳥井さんに感謝。

さて一時間以上そこで過ごした後、「西の郭」へ。
観光化されつつある「西の郭」ですが、去年訪れた「東郭」と比べれば小規模。あっというまに通り過ぎて(時間も遅くなってしまったこともありますが)、いよいよ楽しみの食事です。
「キトキトのお魚を」、ということで楽しみでした。キトキトとは「活き活き」ということでしょうか。とにかくトレトレの旬の魚が食べられる居酒屋さんです。
食楽「かぶ菜」というお店です。

「がす海老」、弱い海老らしく他県には出回らない「門外不出」のもの。そう聞けば食べないわけにはいきません。甘海老よりも甘いといわれて食べたのですが、確かに美味しかったです。
「たらの白子石焼き」、熱く焼いた石の上に白子が乗っています。そのものも美味しかったですが、取って食べた後の石にこびりついた白子も美味とか、お店の方が言ったお薦めの煎餅状にはなりませんでしたが、これも確かに美味しかったですね。
「生ガキ」、新鮮でした。
「治部煮(じぶに)」、金沢名物ですね。カモの肉、レンコン、いや〜さすがです。
こちらの特産、金時草(きんじそう)。葉の表は緑色、裏は赤紫色、この赤紫色が金時豆に似ているのでこの名が付いたとか、「おひたし」を食べたのですが、これもなかなかのものです。

私のトップページの「最近の出来事」で
「金沢が好きになっています。
取り立ててサービスが良いとか、気候や、気質が気に入っているというわけではありません。
強いていえば、町並みと、静けさでしょうか。都会にしては静かなんですね。」

と書いたのですが、鳥井さんに聞いたところでは静けさは人口と車に関係あるのではないか、つまり人口が少ない上、交通機関の不便さと車が多い割に駐車場が少ない、それが原因で出不精になっているせいもあるのではないかとの話。面白い!(ウーン、そうなのでしょうか。実感がないのでわかりません)
もう一つ、私は「ゆったり感」と「落ち着き」が好き、と感じていたのですが、この説明には
「金沢歩き」が原因では?との言葉。
なるほど、そう言われ見ればたしかに皆さんゆったりと歩いていらっしゃる。

仲間に言われてしまいました。
「<休暇>として金沢に来るから、この<金沢歩き>が良く感じるのでしょう、もしこれが仕事で来ていたら『もっと早く歩かないかなぁ」なんて言ってますよ』」と。
そうかもしれない、と思いながら実はこのゆったり、私は<良いな>と思っているのです。
金沢が好きですね。
好きな証拠に(?)、ここに来れば買い物をしてしまいます。
今年は皮のコートを買ってしまいました。
その上、コーディネートしなければ、とシャツとセーターまで買ってしまう始末。
ちょっと高くついたのですが、皆から「似合います」と言われて機嫌のよい私。
また一つ「思い出の街、金沢」になりました。

No.536 '04/1/7「古(いにしえ)の「新しい音」」終わり