No.559 '04/8/26

旅立ち、そしてポツダムへ


旅行会社、イベント企画等を通さない70人程に及ぶ海外旅行です。
普通なら不可能でしょう。
「ドイツ」と直に接したいとの思いが強く、これまでと同じように私たちだけで計画、準備、手配してのドイツ演奏旅行です。
しかしそうは言っても、元団員のクランさん、ライナーくんがいたからこそ、その思いも実現できたわけです。
帰国して随分と月日も経っていますが、二人と「シュッツ合唱団」は今もこのような密接な関係が続いています。
これは両者にとって、運命的とも言える出会いの結果だと言えましょう。

日本時間8月8日(日)、午前7時45分関西空港集合。(早いですね!)
関空発ルフトハンザ機で、ドイツの玄関口フランクフルト空港へ向かっての約12時間の飛行。(この時間は長い!)
現地時間8日午後2時過ぎフランクフルト着。入国審査を済ませ、乗り継ぎでベルリンのテーゲル空港へと向かいます。
午後6時過ぎ、ベルリンで愛息と手を繋いだライナーくんと久しぶりの再会。彼の手配してくれた超大型のチャーターバスでポツダムのインゼル・ホテルへと移動。
このチャーターバス、演奏会が終了するまでお世話になります。ちょっと強面の運転手、ペーターさんとも直ぐに団員は親しくなりました。(このあたりの団員は実に見事な手腕を発揮します)
宿泊先のポツダムはベルリン(Berlin)の南西にあるブランデンブルク州の州都。
ホテルまでは一時間でした。

川沿いといっていいのか、湖畔といっていいのか少し戸惑うのですが、とても美しいシーンの中にあるインゼル・ホテル(INSEL HOTEL)。
皆のお気に入りのホテルです。(前回の旅行でもお世話になりました。ホテルの廊下の壁には我々が訪れた時の集合写真が今も貼り付けてありました)
直ぐに夕食です。ドイツはまだ明るい夜8時前です。
この夜の明るさには、初めて訪れた者は驚きです。
アルトの岩永 亜希子の誕生日。彼女の指揮(「ハッピバースデー・トゥー・ユー」は本人が指揮することになっています)に会場は沸きました(?)(笑)。 旅に少し疲れを覚えて就寝。

ドイツニ日目 9日、朝6時起床。飛び起きて湖畔へ。清々しく、気持の良い朝です。(これがたまりません!)
朝食はテラスで。室内で食べるのはもったいない。朝の空気の中での朝食は最高です。
(ここで是非とも紹介したいモノがいるのですが、これはちょっと後で報告です)
10時、ホテル前集合。歩いて5分ほどのところにある練習場としてお借りした教会へ。
(この教会、団員お気に入りの音響です。「ここで歌うと調子が上がる」とバスの長井くんがいうほど。我々が前回の演奏旅行〔98年〕をCD化した「From German Churches」の「鐘」を録った教会でもあります)
午前の練習はまだ体が慣れず、声も飛びません。ウオーミングアップというところです。
午後1時からも練習。
午前・午後と昼食を挟んで4時間の練習を終え、今一度ホテルに戻ります。
4時30分、ホテル前に集合。渡し船に乗って向かい岸にあるポツダムの街へ。
懐かしい街を歩き、前回も訪れたお店で買いもの。後、6時30分「ブランデンブルク門」に向かい、お土産店が立ち並ぶメインストリートの「ブランデンブルク通り」を散策。
7時、黒ビール「ケストリッサー」の看板を見つけてそのレストランに入る。(嬉しかったですね。早速愛飲のビールで乾杯です)
9時過ぎ、ホテルへ帰るためタクシーを拾おうとするがこれがなかなか見つかりません。20人を越える団員です。ちょっと焦る団員。
しかし何とかタクシー乗り場を見つけて、9時半頃ホテルへ。
もう少し飲みたいとホテルのバーへ、ここでクランさんと再会。
しばらく談笑。ドイツへ来たんだと改めて感じる夜でした。

三日目(8月10日)、6時15分起床。湖畔へ。
さてここで紹介したいモノのお話。
「蜂」がその主役です。
テラスで朝食をすると、ハムや、ソーセージ、そしてジャムや卵などに蜂が群がって来るのですね。
それはもう、「当然頂きます!」って感じで飛び回り、お目当ての食べ物に突進です。(とはいうものの、少し我々の様子を伺いながらなのですが)
初めは団員も嫌がり、恐がり、声を上げ、払おうとするのですが、私がそれを止めます。
「共存」「共生」です!と。(笑)
それにしてもハムをカッティングして持ち去っていく蜂を見るのはユーモラスであり、力強くもあり、また感動的ですらあります。
団員たちもだんだんと慣れ、日が経つにつれ怖がらずに「共生」してました。(笑)。

さて、この日はドイツ中央放送局MDRのインタビューがある日。
午前練習。声に張りが出て絶好調。教会に合唱団の歌声が響き渡ります。
そこにインタビューが遅れるとの連絡。予測していたといえ、これは少し困惑する出来事。予定が狂います。
昼食を取り(ライナーの提案でこの日から近くの学生食堂を利用することになりました。ここには実は学校があったんです。それも音楽学校です!)、しきり直しです。(笑) 午後練習。「室内合唱団」の練習にしました。
OCM合唱団の人たちには世界遺産にも登録されているサンスーシー宮殿への観光を勧めました。
私も再度見学したかったのですが、ここは我慢。インタビューに備えます。
さて、インタビュー。女性のインタビューアでした。お相手はクランさんにして頂いて、私は練習に専念。
インタビューアを意識して本番さながらの演奏をしてみました。(笑)
インタビューアの彼女、好奇心をむき出しにして私へのインタビューを試みるがそれをさりげなく無視。(笑)
演奏が終わって彼女、演奏会に行きますとのコメントを伝えて帰っていきました。

観光を済ませた団員もホテルに戻り、夕食。
この日はテナーの原田 匠彦(なるちゃん)の誕生日。食後、彼の指揮で「ハッピバースデー」を歌います。(お茶目な彼、猛スピードで指揮します。皆、驚きつつも楽しんで歌ったのですが、もう一度私のリクエストでノーマルなテンポで振ってもらいます。本人による指揮はやはり楽しい!)
何とものんびりとした、それでいて翌日から始まる5日連続の演奏会を控えての緊張感漂う充実の二日間でした。

さていよいよ次回から、演奏会の報告です。

No.559 '04/8/26「 旅立ち、そしてポツダムへ」終わり