No.593 '05/07/31

「コミック」を読んでいます


以前にも書いたと思うのですが、私は小さい頃から「漫画」をあまり読みませんでした。
だからといって「読書」に励んでいたというわけではありません。
ひたすら真っ黒になりながらボールを追い、野山(?)をはね回っていました。
一時期、仲間に「漫画」も読みなさいとアドバイスを受け、少しの間「はまって」いたころもありますが、やはりそのうちにやめてしまいましたね。

ついこの間、新聞を見ていたら音楽関係のコミックのことが書かれていました。
人気のコミックらしく、出版部数も多いとのことでした。
クラシック音楽家を主人公にしているらしく、おきまりの恋愛ともからませてなかなか興味を引く内容記事だったんですね。(つい最近もこれが発端だったのでしょうか、NHKの音楽番組でも取り上げていました。〔追記8/22〕)

で、買ってしまったんです。(笑)
12巻出ているということでしたので、一揃え全部買いました。(笑)
書店へ行って、いつもは関心もなく寄りつかなかった「コミック」コーナーへ。
ちょっと雰囲気が違いますね。本はビニールでくくってあるし。
周りは若い女の子たちばかり。
棚から取り出し、すぐさまキャッシャーへ。(笑)

その「コミック」、「のだめカンタービレ」といいます。
著者は二ノ宮知子さん、私は余り識らないのですが、有名な方なんでしょうね。
主人公はピアノ科の女子学生、野田恵(のだめぐみ)。「のだめ」はその略だったんですね。
最初、「のだめ」と見たとき何なんだろうと思っていたのですが、人の名をそんな風に呼ぶということにちょっと新鮮な驚きを覚えました。
もう一人の重要人物、それが千秋真一(ちあきしんいち)。彼は指揮者志望の大学院生なんですが、「飛行機恐怖症」のため外国に行けない(留学できない)という性格ときています。

そんな二人が、他の音大生、個性ある音楽家たちと絡みながら音楽の修行道を歩むという筋書きです。
このコミックの著者には音楽家たちのブレーンがいるらしく、その情報によって物語が作られていっているようです。
ですから(といっていいのでしょうか)、まだまだ旧態依然とした価値観を覗かせながらなのですが、より新しい「心ある、感じる音楽」を目指そうとする登場人物に読者は新鮮さを見いだしているのかもしれないと、新聞の紹介記事には書かれていました。

正直、読みながら私には(強調しておきますね。私はです)そう面白いとも、驚きや、感動といったものはないのですが、あのような内容が(失礼!もう少し詳しく内容を書けばいいのですが、それはどうか皆さんで確かめて下さるのが一番いいですね)沢山の読者に読まれているんだ、という事実が私を納得と、溜息とをもたらせます。
やはりこの国は「クラシック」はまだまだ格好いい、高貴で、非現実的で、遁世的で、夢世界というイメージが強いのですね。
その魅力も確かにあるのですが、もっと現代的で、社会的で、人間の本質的な部分を追求する魅力もあるはず。

クラシックの観客が減っているという現実の中、喜ばしい兆候だと思いたい気持ちと、まだまだだなぁと溜息をつきたくなる思いを交叉しながら読みました。
音楽ってもっと直感的で、体感的で、エキサイティングなもの(と私は思っています)、それにはそれを生み出す精神的背景、時代を観る目、真実性が必要だと思うんですね。
この「のだめカンタービレ」、これからどんな風に展開していくか楽しみにすることにしましょう。
第13巻は買うのでしょうか、私?



No.593 '05/07/31「「コミック」を読んでいます」終わり