八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.24


【掲載:2014/03/20(木曜日)】

やいま千思万想(第24回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

[石垣風景、観光地とサービス]

 国道390号線沿いにレンタカーを走らせます。
730交差点を過ぎ、市役所前を通って先ずは「唐人墓」へ。
綺麗になりましたね。
カラフルな色が目立ちます。
南国的な色合いが照りつける光に輝いて立派さを感じる記念碑です。
人影はありません、ひっそりとしていて観光ルートからは外れているのでしょうか。
惜しい気がします。
島民の心、歴史を知る一つのエピソードとして良いと思うのですが。

 続いて県道79号線となり、名蔵湾を望みながら走ります。
光も風も心地良く体を撫でるようで、もう体中が喜んでいるのがわかります。
途中、みんさー織りの店に立ち寄ってシャツを購入。
これはステージ衣装となります。最近の私のこだわりになっているようです。

少し走って崎枝に。お腹も空きました。
ハーブをたっぷりと味わえる行き付けの工房に立ち寄り、名蔵湾を見下ろしながら休憩。時間を忘れる空間の広がりに自然とため息が出ます。
ハーブの味と香りにエネルギーを得て、次なる行き先「川平湾」へ。

 川平湾の景色は必見ですね。
今年は観光客が多いようです。
ひっきりなしに団体が押し寄せていました。
これも新空港効果なのでしょう。(空港といえば、またしても目にした困った賑わいの光景。狭い中で行われる子どもたちのイベント、溌剌さに感心しつつもそれは人の流れを妨げ、大音響は空港内の重要な案内を掻き消しています。これは一考ですね)

 −閑話休題− 
 走行は東シナ海側の道。
美しい海岸線を堪能しながらふと右手の山側を観ればあの私にとって貴重な体験となった野底岳(野底マーペー)が見えてきます(以前、1時間をかけた登山口からの上りはきつかった)。
その特徴ある円筒状の山頂はやはり感動、いつ見ても心惹かれます。
悲しい民話、恋人を慕う美女マーペーをいつも想像してしまう私です。

車は県道206号線の伊原間地区へ。
いつか見た立て看、「おはようサン/太陽サンサン/ぼく十三」はやはり傑作、思い出してほくそ笑む私。

この辺りでの車中の会話、「電気自動車やハイブリッドカーが少ないね。この島を試乗体験の地域としてもっと活用すれば、エコにも繋がるし新しい観光スポットともなるのに」との意見、これには私、大きく相づちを打ったものです。

 車は終着点である平久保地区に差し掛かります。
最近「さがり花」でも話題となった地区ですね。
車が大きく左に曲がるとそこは石垣島最北端、平久保崎灯台。絶景!。観光客も訪れていて笑顔の賑わいです。
潮風は少し強いが心地良く気持ち良い。
暫く呆然。

 帰路は後ろ髪を引かれながら玉取崎展望台へと。
道は国道390号線へと替わり、途中珍しく路線バスに遭遇。
そのコンパクトな車体にオレンジ色に光る行き先案内表示が夕暮れに映えて美しい。
青い海、海岸線と水平線、山と稜線。
久しぶりの石垣風景。
つれづれなる思いが沸々と浮かび、「観光地とサービス」というテーマが頭から離れません。
(この項続きます)





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