八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.115


【掲載:2018/04/04(水)】

音楽旅歩き 第115回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

春休暇の二つの城廻り

 春休みを頂いて小旅行に出かけました。一年間で唯一長期に休める日々です。
今回は二週間ほどの期間。さてさて一切の音楽活動をリセットしてリフレッシュに努めます。
4月からの忙しさはまた目が回るほどの過密な日程になりますから、この期間は大切な休養となります。
しかし、だからといって全くの音楽脳抜きとはいきませんから、その休養と準備のバランスをよく考えての行動となります。
リフレッシュには旅行が一番良い、ということで以前から気になっていた近場の城下町に行くことにしました。
「城」好きです。城郭としての街づくり、そして景観が私の頭の中に刺激をもたらしてくれます。
城という建築様式も興味はありますが、それよりは城を中心にどのように町が作られ、そして現在に至るまでどう辿って(たど)来たのか、
その歴史は?そしてそれらはどのようにして保たれてきたのか?
その推移や整えられかたに興味が沸くのです。

 休暇が始まって直ぐに出かけたのは「姫路」。
私の家からは2時間ほどで行くことができるのですがまだ行ったことがなく、是非行ってみたいと計画を立てます。
目指す城は別名「白鷺城(しらさぎじょう、はくろじょう)」とも呼ばれる世界遺産・国宝「姫路城」です。
5層6階の大天守と三つの小天守とがある堂々の城です。
行って先ず驚いたことはその美しさです。
平成の修理、補修工事を終えた城は本当に白が輝き、その美しさを際立たせて天空に雄々しい姿をそびえ立たせています。
たまたま晴天に恵まれたこともあって、息を飲むようなその白色は格別でした。
街も世界遺産を意識した洗練を感じさせ、賑わしく息づいています。
御多分に洩れず観光客は多く、特に欧米からの観光客が目立ったのが印象的でした。
堪能しての日帰り旅行。その感動に促(うなが)されて次なる城を目指します。

 間を空けず次は「彦根城」へと出かけました。
某テレビ局のドラマで昨年人気が出たことも行く動機になったとは思うのですが、記憶も遠のくほど昔に行って以来、もう一度訪れたいと思っていた城です。
ここも近場ということで再度訪れることにしました。
彦根は滋賀県東部、琵琶湖の東岸中央部にある市。
国宝の天守閣は姫路城と比べると小さいとの印象なのですが、城全体はいぶし銀のごとく独自の魅力を放って輝いています。
全国的にも有名になったマスコットキャラクター「ひこにゃん」も人気者です。
一目見ようと行列ができるほど。
私もわざわざ時間を合わせてその可愛い仕草を天守閣の真下で写真に収めます。(石垣島の「ぱいーぐる」を思い出しました)

 訪れた二つの城郭はそれぞれに巧みな作りを示して興味が尽きません。
日本には天守が国宝指定されている城が五つあります。
姫路城と彦根城の他、犬山城と松江城。そして私のお気に入りの長野県松本市にある「松本城」(深志城(ふかしじょう)烏城(からすじょう)とも呼ばれています)がそれです。
「城」に興味津々です。





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