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第7 Scene('00/9/3)

「能勢:剣尾山への道、そして歌垣神社」


2、3日(土、日)と「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」の合宿が能勢でありました。
この能勢での合宿はもう何年になるのでしょうか。
シュッツ合唱団だけではなく、私の関係する合唱団も使わせていただいてますからその利用頻度は大変な数になると思います。
8月の後半から9月にかけてはほぼ週ごとの土日でお世話になっています。

周辺での散歩もたくさんしてきましたが、今回はちょっと足をのばしてみました。
合宿場の裏には剣尾山(けんびさん)という標高800メートル弱の山があります。
いつも頭の片隅には意識があったと思うのですが、登ろうとかということは思いませんでした。
それどころではない練習スケジュールですし、体力的にも後が心配でその気はおこりませんでした。

日曜日の朝、いつものように6時30分頃目覚めました。
7時頃合宿場を出て、少し歩いてみようと肌寒く感じる朝の空気を吸いながら散歩道を考えました。
合宿場の前の道は水が川のように流れています。
昨夜一時的に強く降った雨が吹き出しているかのようです。水の勢いの凄さに驚きです。

いつもとは反対の道を歩くことにしました。剣尾山の登り口の方へ行くことにしました。
道はいきなり上り坂となります。この坂があったためになかなかこちらには体が向かなかったのですね。(笑)
周りの風景を楽しみながらゆっくりゆっくり歩きました。
蜘蛛の巣がピーンと大きく張られているのをいくつか見ました。巣の真ん中には、なんという名前か知らないのですが少し大きめの蜘蛛が陣取っています。久しぶりに見る蜘蛛でした。
以前より整えられています。きっとハイカーたちの利用が増えているのかもしれません。トイレの設備もありました。地図や由来を書いた立て看板もありました。
しばらく歩くと、剣尾山への行者道という案内を見つけました。山への登山口が横道となって見えます。道幅は狭く、一段と傾斜が急になっていると思ったのですが、登ってみることにしました。
道は丸太などによって階段状に整備されています。歩きやすかったですね。

息が弾みます。気持ちがいいんですね。
上まで登ってみようかと本気になっていたんですが、8時の食事が気になって(笑)中程であきらめました。
この道、もういちど歩いてみたいと思いました。来週もまた合宿がありますので(「京都モンテヴェルディ合唱団」の合宿)再挑戦してみることにします。

散歩ではないのですが、合宿が終わった夕方、「歌垣山」を見に生きたいという私の誘いで皆と一緒に車で出かけました。
柴田先生の作品にもあって、「歌垣山」は行ってみたかったのですね。でもその機会はなく、今日出かけなければまたいつになるか判らないと思いました。
先生もこの地のことがお分かりだったようで(当然ですね、日本三大歌垣の一つで、常陸(茨城県つくば市)の筑波山、肥前(佐賀県白石町)の杵島山と 並んで代表的な歌垣山とされています)
倉橋さんとの会話でも直ぐにこの地のことを話されたようです。
これが歌垣山です。

「歌垣(うたがき)」とは、弥生時代を中心に若い男女がある時、ある場所に集い、一夜をともにし、稲作など農産物の豊饒を祈願した行事です。
いわゆる「集団お見合い」ということにもなるのでしょうか。
文字通り垣根をめぐらして、互いに歌い交わし、相手を求めたと思われます。
その行事が、この山の山上や山中で行われたものか、あるいはこのすそ野一帯がその場所であったかどうかはわかりません。
でも、「歌垣」という地名にあるようにこの一帯はその行事と何らかの関係があったのだと思うのですね。
そして、それを正に裏付けているようにも思える「歌垣神社」を地図で見つけました。
歌垣山は下から眺めるだけ。登るには日を改めなければなりません。山登りです。
そこで「歌垣神社」です。

「歌垣神社」に行けば、その由来やもう少しいろいろなことがわかるパンフレットなどがあるのではないかと期待してました。
しかし、その神社には人影もありません。とても小さな神社で、私たちがよく見かける、お守りや、おみくじや、パンフレットを売っているといったイメージからは遠いものでした。
周りはよく整備されていました。荒れているといったものではありません。しかし、神社そのものは人の訪れを待っているふうには見えません。
実際、頻繁に訪れている人はいないのではないかと思わせます。
地元の人たちで守られているんだ、と思いました。 約30人が突如、一挙に訪れました。さぞかし神様も驚かれたことでしょう。

行って良かったです。
歴史も由来も判りませんでしたが、その小さな神社のたたずまいが遠く古(いにしえ)の行事へと思いを馳せさせてくれました。



第7 Scene('00/9/3)「能勢:剣尾山への道、そして歌垣神社」終わり



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