近頃、まだ五月だというのに暑い。
暑いので、夜遅くまで窓を開けたりしていると、こんな声が聞こえてくる。
「ホッホッ、ホッホッ」
別に気の早い坊さんが托鉢をしているわけではない。
フクロウ科の鳥、アオバズクだ。
こいつは、フクロウの仲間の中でも割と民家の近くに住んでいる事もある。我が家は山に近い静かな住宅地なので、こいつの声が響きわたるのだ。毎年、夏になると声を聞くことが出来る。
数年前までは、なんと家の前の電線に止まって鳴いていたので、姿を見ることもできた。小さめのフクロウで、縦斑と黄色い目が特徴だ。写真には収められなかったが、何度もその姿を楽しませてもらったものだ。
また、家の前にいるので何とか寄ってきてもらおうと、鳴き真似をよく練習した。そしたら異常に上手くなってしまい、野鳥の会の人達を多数だます事に成功した。だましてどうする。
しかも当のアオバズクの方は、私の鳴き真似は一向に気にしていなかったようだ。意味無いじゃん。。。
また、こんな声も聞こえてくる。
「ケッケッケケキョ、ケッケッケケキョ」
下手くそなウグイスではない。カッコウの仲間、ホトトギスだ。
図鑑なんかには「鳴き声は、テッペンカケタカ、と聞こえる」等と書いてあるが、とてもそんな風には聞こえない。そもそもなんだ「テッペンカケタカ」って。
こちらの方は姿を見たことはない。けたたましい声が時折聞こえるだけだ。
そう言えば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の性格をあらわすのに「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」「鳴かぬなら鳴かしてみせようホトトギス」「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」などというが、誰が考えたんだ、これ?
ホトトギスは滅多に姿を見ることができないから、殺すのはめんどくさいぞ。姿が見えなきゃ自力で鳴かしてみせることは難しいのじゃないか?そんなに待たなくても、夏になったらすぐ鳴くぞ。
う〜ん、どうでもいい。
他にも「キョキョキョキョキョ‥‥」と鳴くヨタカの声も聞いたことがある。「キャッキャッ」というゴイサギの声は川の方からだ。
夜、暑くなって窓を開け、こいつらの声を聞くと、夏が近いなぁ、としみじみ思うのである。
追伸:どうでもいいが、上記の夜鳴く鳥の鳴き声はどうして“キャキュキョ”が多いんだろうなぁ?
00.5.28