我々の希望の青い星。
故郷の星を失いし我々、三十億の民と共に宇宙を彷徨う。
さすらいの果て、二つの星を見つける。赤い星と青い星。
果たして我らが住まうことの出来る星であろうか?赤い星は不可能であった。我々の弱点たる・・・・・が多く存在したからだ。
では、青い星はどうか。一人の若者が調査に出かける。
彼の報告を聞き、我らの宇宙船は歓喜に揺れた。
この星は赤い星のように・・・・・もなく、下等な原住民が跋扈するだけの緑にあふれた楽園であるということだ。その時、調査に出かけた若者が襲われた。何があったというのか?襲ったのは何者だ?この星の原住民の力では我々に危害を加えることはできはすまいはずなのに。
「光の国」から来たと名乗る男。若者を襲ったのはこの男だ。
我らの若者は勇敢に戦った。しかし男の持つ武器は我らの苦手な・・・・・。若者は破れ命を落とした。我らは諦めざるを得なかった。この星は、あの力を持つ男に守られているのだから。
また新たな新天地を探す旅に出るしかない、そう決意した矢先のことだった。スペシウム。我らの弱点たるこの物質が光線となって、宇宙船を襲った。次々と焼かれていく同胞の身体。破壊される船。
宇宙船は大破し、三十億の民はわずかを残し全滅した。三十億の無辜の民は殺され、希望は砕かれた。
残されたわずかな者にのぼる心。復讐だ。
あの男に。「光の国」に。我らの希望であったこの青い星に。
何度でも戻ってくる。何度でも攻撃してやる。
我らの民の嘆きを知るがいい。流浪の民の怒りを知るがいい。
何度でも、力を蓄え、戻ってくる。我らから全てを奪った者達に死を。
我らの希望を奪った地に破壊を。我々は、バルタン星人。
ウルトラマンでかわいそうな怪獣と言えば、ジャミラ、シーボーズ、ウー、ピグモン、なんかがあげられますが、私はバルタン星人を忘れてはいけない、と思っています。
『ウルトラマン研究序説』なんかにも書いてありますが、バルタン星人に対するウルトラマンの行動は、大虐殺としか言いようがありません。
一度バルタン星人の立場から見てみるとどうなるか、と思ってこんなん書いてみました。ウルトラマン、ウルトラセブンは、テーマが深くて考えさせられる回が沢山ありました。機会があれば、また全部見たいものです。