2月5日 日本鬼子(リーベンクイズ)


「日本鬼子」という題名の映画を見に行ってきた。これで‘リーベンクイズ’と読む。カタカナで表記するとわかりづらいが中国語である。

副題が「日中15年戦争・元皇軍兵士の告白」となっている。
その題の通り、日中戦争当時に日本兵であった人達が、「自分達が中国で何をしたか」ということを告白。それを記録した映画である。

加害者の側から語られる歴史。
今まで被害者の側から語られていたことが、加害者の側から語られる。

戦争での最大の被害者は語れない。もの言わぬ骸となっているから。
そこで起こった事は加害者しか語れない。

映画には14人の元皇軍兵士が登場する。当然、もう70〜80代の老人達である。
彼らは誰もが淡々と語る。流暢に、そして克明に語る。
殺人、強姦、略奪、そして食人を。

知った。という気持ちになった。
残虐行為があったことを、ではない。それは前からある程度は知っていたつもりだ。
それが加害者の側から語られたこと。これは重みがある。
加害者の心理、状況、そしてその変遷。それらが、わずか14人とは言え、聞けたのは大きい。
上手くは書けないが、「情報」として知っていた事実が、「実感」できる事実に近づいた気がするのだ。

この映画は記録映画である。2時間半、ほとんどが老人達の語りだけで構成されている。
戦争映画などにありがちな教訓や思想などは盛り込まれていない様に思う。
「知る」ための映画である。これをみてどう思うか、どう動くか、などは「知った」当人次第なのだ。

見終わった後、何とも言いようのない感覚に陥った、この映画。
頭の中でまだ整理されてないのか、変な文章になってしまった。申し訳ない。
ただ、早い目に書いてもおきたかったので、とりあえず書いたのだ。まだまだ色々考えるかな、と思う。

この映画、もし興味がある方がおられましたら、見に行ってみて下さい。
大阪では2月22日まで、九条のシネ・ヌーヴォでやっています。
(8日までは昼〜夜、9日以降は朝のみ)
その他、詳しくはこちらをご覧下さい。

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