今年に入ってまだ3度目の更新。見て下さる皆様にはホント、申し訳ないっす。言い訳はしません。なんだかんだと忙しいのです。さて本題。
この「日々のほほん」では展覧会ネタが結構多かった。最近は全然書けてないけど、○○展とかいうものには結構行っているのだ。
今回は、以前行って書けなかった展覧会の感想なんかを、一気に書いてしまおう、という話である(ごく最近行った展覧会については、また別に書こうと思う)。
ただ随分前のもあるので、覚えてるかどうか心配ではある。とりあえず書いてみよう。●マジョリカ名陶展●(01.9.15〜10.28)
イタリアを代表する陶器の展覧会。「日本のおけるイタリア年」の一環だったようだ。陶器にはさほど興味があったわけではないが、チラシを見て面白そうだったので行ってみた。
ルネサンス期が盛期のものらしい。陶器とはこんな色が出せるのか、こんな絵が陶器に描いてある、などと単純に驚くことしきり。やっぱりルネサンス期のものだなぁ、となんとなく感じさせる。楽譜が描いてあるグロテスク文様の陶器が気に入った(思わずTシャツを購入)。
絵とは違う立体の美術を楽しめた、去年の秋であった。●チャルトリスキ・コレクション展●(01.9.1〜10.28)
昨年やっていたポーランドのチャルトリスキ美術館のコレクション展である。目玉はレオナルド・ダ・ヴィンチの「白貂を抱く貴婦人」。これはスゴかった。今にも動き出しそうな白貂、その毛並み、貴婦人の眼差し、質感。1日見ていても飽きない、と思った。
ただ、それ以外の展示品は私の興味を引かなかった。気になったのは「ショパンの手」(?)くらい。すぐ出てきた覚えがある。
でも「白貂を抱く貴婦人」がとても良かったので、大変満足した展覧会でした。●カラヴァッジョ展●(01.9.29〜12.16)
昨年の東京公演の後で見た、カラヴァッジョを始めとするバロック絵画の展覧会。とにかく面白かった!ハッキリとした線、色づかいは鮮烈な印象を受けた。
どれを見てても楽しいのだが、やっぱりカラヴァッジョの輝きは違う。ハッキリした中にも微妙なタッチの差があって、存在感が圧倒的に違う。主題に自然と目が向くようになっていて、その構造を見ているとほれぼれしてしまう。見ていると、練習していたバッハのロ短調ミサが頭をよぎったものだ。
庭園美術館も綺麗な建物で、人が沢山いる割にゆっくり見ることができる構造をしていた。機会があったらまた来たいと思う。
惜しむらくは東京公演の打ち上げで二日酔いになっていたことか‥‥。●チベット仏教展●(01.11.15〜02.1.6)
今年のはじめ、京都で見た展覧会。主に曼陀羅を始めとする、チベット仏教の宗教画が中心。
まさに幻想の世界であった。とにかく仏様、仏様、仏様、である。
1枚1枚の画に描いてある仏様の数がハンパじゃない。すごく細かいのだ。中心に本尊があって脇侍、護衛、信者etc、etc、沢山描いてある。それが「百巻の内の一枚」であったりするのだ。すごすぎる。宗教ってすごいなぁ、って改めて思ったりしたのであった。
最初の内は日本でもお馴染みの仏様とかを探すのが楽しかったが、あまりの仏様の多さに、最後はとても疲れてしまった。しかし西洋画ばかり見ていた目には、とても新鮮であったのである。
他にも砂で曼陀羅を書いて仏様を降臨させる儀式のビデオなんか上映されてて興味をそそられた。
幻想の世界にトリップさせられた、楽しくもしんどい展覧会であった。●コーポレート・アート展●(02.1.30〜2.17)
ここ100年で企業が収集した美術品の展覧会。意地の悪い言い方をするとバブルの集大成である。バブルがはじけて安くなってしまったものを後悔、いや公開している感じ‥‥。
ちょっと否定的な書き方になっているのは、あんまり面白くなかったからだと思う。それぞれの絵はそれなりに楽しめるのだが、どうも展覧会としての統一感がない。しゃあないと言えばしゃあないのだが。
日本人って印象派が好きね、くらいの感想しかないなぁ‥‥。●雪舟展●(02.3.12〜4.7)
「画聖」と書いて「カリスマ」と読ませるあのコピーはイマイチ気に入らないものの、非常に楽しみにしていた展覧会。期待通り楽しませていただいた。
水墨画の世界。色は白黒しかない。濃淡とタッチで表現する世界。これだけでこんなに世界は広がるのか、と驚嘆。
雪舟自身の変遷、周りとの関係などもよくわかる陳列の仕方で面白かった。年を経る毎にパワーが増す雪舟の筆に脱帽(別に帽子はかぶっていなかったが)。
会期が短いので連日人が多く、落ち着いて見られなかったのだけが残念。●エッシャー展●(02.4.10〜6.23)
だまし絵で有名なエッシャーの世界。純粋に見ていて楽しい展覧会でした。幾何学的な絵、変身(メタモルフォーゼ)、だまし絵と、とにかく見ていて楽しい。人間の視覚の盲点をついただまし絵。すごいね。
もちろんそこにたどり着くまでのエッシャーの変遷も見逃せない。構図などにこだわった絵の描き方がよくわかる。
いろんな仕事もしていてマタイ受難曲の演奏会のパンフレット表紙なんかも書いたりしている。
変身やだまし絵なんかは凝視してしまうので、とても目が疲れた。その目の疲れも、何故か心地よいエッシャー展であった。●東大寺のすべて展●(02.4.20〜7.7)
こりゃ〜すごい‥‥。「すべて」と言いきるだけのことはある。スゴイ量の陳列物だ。東大寺建立、大仏鋳造、大仏開眼など、東大寺の歴史に関わるものが、これでもか!とばかりに展示されている。あまりの量の多さに疲れ果て、展覧会だけ見て、東大寺そのものは見なかったくらいだ。これだけの量を狭いと感じさせずに、陳列できる奈良国立博物館も大したものだ。
国宝や重要文化財が惜しみなく展示されていて、貴重なものを沢山見たって感じ。う〜ん、日本の美。
チベットの仏様達はすごくアグレッシヴな感じがしたが、日本の仏様はおとなしい。穏やかな顔でこちらを見つめている。
面白いけど、根性のいる展覧会でありました(ギリギリまだやってるけど)。●ミロ展●(02.5.2〜5.21)
5月に東京に行った時、時間が空いたので飛び込みで見た展覧会。
ミロについては現代美術家っちゅう事くらいしか知らず、どんな作品を残してるかも知らなかった。
見た最初の感想。「落書き」と「ガラクタ」。怒られそうだけど、ホントにこう思ったのだから仕方がない。
しかし(時間もあったし、展示物も少なかったので)何周か回っていると、不思議と楽しくなってくる。わかるような気になってくるのだ。回れば回るほど楽しくなる。どんどん違って見えてきて、面白い。
これは一体どういう現象なのだろう?自分がミロの世界に入り込んでいってるのか、それとも「ミロ」という名前に惑わされ、良いものと思い込んでしまったのだろうか?
その辺悩みつつも、面白いからイイや、とばかり何周も回り続けた私なのでした。とりあえずこれだけ。やっぱり昔に行った展覧会は、うろ覚えで上手く書けなかった。でも書いたことで、ちょっと心のつかえが取れたのである。一安心。
最近また2つほど展覧会に行っているので、早急に書きたいと思う。
今度は本当にすぐ書くので、お待ち下さい。