今日はテレビのトーク番組「鶴+龍」の公開録画を見に行った。
前々からこの手のお笑いの公開録画には行ってみたかったのだが、いざその日となると気が向かなかったり、予定が変わったりで行ったことがなかったのだ。
今日はなんだかごく自然に足が向いた。演奏会の次の日らしい、と何となく思ったのであった。そもそも私は、芸能人とやらに縁がない。今まで見たことあると言えば、ジュディ=オングしか記憶に無い。
通っていた学校に芸能人が来ても、その日ちょうど休んでたり、大学祭でもわざわざ見に行くモンでもないべぇ、と敬遠していた。
芸能人とやらを身近で見るっちゅうのはどんなもんかいな、と妙な期待も持っていたのだ。場所はザ・フェニックスホール。なじみがある音楽ホールっちゅうことも足を運ぶ気になった要因だろう。
ホールにはいるまでの過程も初めてのことばっかりで面白かった。
まず夕方五時に入場整理券を受け取らなければホールには入れない(ちなみに入場料はナシ!この辺も行く気になった要因だろう)。
私がホール前に着いたのは16:40頃だったと思うが、すでに長い行列ができていた。私ゃ行列大嫌い人間なので思わず躊躇してしまったのだが、今日はこのために来たんだべ、とばかりに意を決して並んだ。並んでる客を見てるのも楽しい。いかにも常連風な人、大学の落語研究会っぽい奴ら、イベント好きのカップル、上岡ファンのおばちゃんなどなど、私が普段見ている演奏会の客層とは全く違った、しかも多彩な客層になんとなく感心してしまったのである。
五時になって整理券が配られ始める。見ると人によってふちの色の異なる整理券が配られているのだ。私のは緑だ。これはなんじゃ?、と思ったがその謎は後ですぐに解けることになるのである。
整理券をもらった後は18:15再集合ということで時間が空く。私は毎度おなじみ吉野屋で腹ごしらえし、楽譜のササヤ書店で時間をつぶしていた。
18:10頃ホール前に戻ると、もう入場が始まっていた。ここで整理券の色の謎が解けることになる。赤、青、緑の順で中に入っていくのだ。青までは1階席で、緑は2階席なのだ。ということで私は2階席に座ることになるのである。
席に着くまでは整理券の番号順に整列して進む。小学校の遠足のようだ。ケチっているのか、エスカレーターもエレベーターも使わない。4階まで階段だ。途中でAD(アシスタントディレクター)に「あと少し、頑張って下さいね」などと励まされた。新地のすぐ近くのホールで山登りのような気分になることもないだろうに・・・。
席は番号順で完全指定。たくさん人が入れるように順に詰めていくシステムだ。本番前にADのお姉ちゃんから前説がある。収録に関する注意をするのだが、客の緊張をほぐす、ということも兼ねているらしくじょうずに笑いをまじえつつの前説であった。これも初体験で本番前の微妙な空気が感じられて楽しかった。
さていよいよ本番である。笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎のトーク。内容は8/14,28の深夜にオンエアーされるのでここでは省く。
生の芸人のシャベリっちゅうのはやっぱりすごい。さすがこれでメシ食うとるな、といった感じである。やっぱ言葉の出てくるタイミングが絶妙だし、ウケた時のたたみかけ方もすごい勢いだ。一度ウケた言葉やリアクションを絶妙の間で繰り出してくる。笑うしかない、といったところだ。
「鶴+龍」は台本無しのフリートークなので話題がとぎれることもあるのだが、すぐに違う話題に入れる。しかもそれが、それまでの話題とうまく関連づけて笑いに持っていくのだから、芸人はやっぱ頭の回転が速くないとできんのやなぁ、とつくづく思ったのであった。出てきて舞台に立ってしゃべってるだけなのに、普段はクラシックの音楽ホールをお笑いの空間へと染めてしまう。プロっちゅうのはこういうモンやなぁ、と感心させられた。1時間ちょっとの予定だったが、たっぷり1時間40分はしゃべっていた。休み無しで。見事である。
本番が終わると、最初の面倒くささとはうってかわって、一斉に外に出されて終わり、である。さすがテレビ局。
それにしても面白い体験だった。たまにはこういう刺激も良いものだ。うまく言えないが、最近あまり使われてなかった心の一部(頭じゃないよ)が元気になった、そんな感じだ。
また機会があればこういうものを見に行こうと思う。お芝居も見たい。どんな体験も無駄な体験というのは絶対にない。今日はそういう思いが強くなる一日であった。
(今度はナイトスクープかダウンタウンを見に行きたいなぁ・・)back ![]()
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