大阪コレギウム・ムジクム
マンスリー・コンサート ~音楽の花束~
《500回記念スペシャル》
J. S. バッハ/ヨハネ受難曲

連載ひとことコラム

第500回目を迎えます2025年6月のマンスリー・コンサートは、バッハ:ヨハネ受難曲をお聴きいただくスペシャル版!
作品について、あるいは意気込みについて、団員のひとことを連載コラムにてお届けしてまいります。

Nr. 1   2025. 4. 19.
ソプラノ:福島瑞貴
ヨハネ受難曲を歌うのは今回が初めてです。演奏が決まった時は周りの方のざわめきにキョトンとしているだけでしたが、最初に楽譜を手にした時に、その道のりの険しさを実感しました。
練習が始まった当初は、ただ楽譜を追うのに必死で、曲を楽しむ余裕など全くありませんでした。音程が複雑に変化していくメリスマに速いリズム、そこにドイツ語の発音が合わさるので、練習後は頭がパンク状態でした。
練習を数回重ねて曲の内容が少し理解できるようになってから、過去のオペラ形式の演奏を通しで視聴しました。その迫力に圧倒されると同時に、曲の魅力に深く惹き込まれていきました。また、あれほど長い曲を暗譜で歌い上げる先輩たちの姿に感銘を受けました。
これまでも何度かバッハの作品を歌ってきましたが、楽譜をなぞるのに精一杯で、完全燃焼できないことも多々ありました。しかし、今回はやり切れない思いを残さぬように、先輩たちのように全て暗譜する勢いで曲に取り組もうと思います。
心に響き渡るような芯のある声でドラマティックな表現をしながら、同時に悲しみや希望を浮き彫りにする美しいハーモニーで教会全体を包み込む。そんな風に歌えたらバッハの作品をさらに好きになれるのかなと思います。まだ練習についていくのに必死ですが、本番でお客様が心から感動するような演奏ができるよう精進していきたいです。

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