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□■コレ・マガ■□
【大阪コレギウム・ムジクム メールマガジン】
(NO.309 2007.10.26発行)
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※このメールマガジンでは、大阪コレギウム・ムジクム(OCM)の活動状況、
演奏会、CD発売などの最新情報をお伝えいたします。
┏♪今週の目次♪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
1.一意直到 〜当間です〜
2.いよいよ明日!宮沢賢治の世界をご堪能下さい
3.演奏会情報
4.ホームページ更新情報
5.編集後記
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1.一意直到 〜当間です〜
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明日の「宮沢賢治の世界 その二」プログラムに掲載予定の『演奏にあたって』
を、当日に先がけてコレ・マガ読者の皆様にお読みいただきたく、今週の一意
直到にかえて転載させていただきます。
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演奏にあたって
『宮澤賢治』
「宮澤賢治」がずっと気になっていました。
小学生の頃に読んだ「雨ニモマケズ」の詩がそのきっかけだったかもしれませ
んが、その後も何かしらいつも頭の中で「賢治」がざわめいていたように思い
ます。
彼の童話を好んでいたわけでもありません。彼の詩を味わうほどイマジネーシ
ョンが豊かだったわけでもないと思っています。(特に数字や、天文学分野の
言葉が出て来る度に困惑する私でした)
「賢治」に惹かれるのは彼が放つ「力強さ」、しかしそれらと伴う「不安げ」
な様相。
力強く滾(たぎ)っている「揺らぐ炎」と言えばいいのでしょうか。
彼の語り口に表れる「実直」と「過激・過剰」。
それらが入り交じる不思議な感覚が私を虜にするのだと思います。
「修羅」という言葉もずっと私の中で響いていました。
その言葉の中に何かしら「魔物」的ではあるけれど、人間の生き方として本質
的なものが含まれているように思われてしかたがありませんでした。
去年、気になっている「宮澤賢治」を探りたいと強く思いました。
千原英喜氏に「賢治」の作品を音楽化してはどうでしょう?と打診したのには
勇気もいりましたが、今にして思えば「口にした」ことがとても大きな喜びに
結びついています。
その前に、木下牧子さんに委嘱した曲が「原体剣舞連」であったということも
今年の私の活動に大きなきっかけを与えたのもまた事実です。
戦中戦後を通じて「宮澤賢治」が我が国の人々の心に強く根付いたことは確か
でしょう。
ただ戦後において「賢治」への評価が二分します。いわゆる「平和主義者」と
しての「賢治」、そして戦争肯定をも持さないもう一方の「国体主義」の「賢
治」。
この論争は今も続いているようですが、最近注目の評論が発表されました。
第39回新潮新人賞「評論部門受賞作」、大澤信亮『宮澤賢治の暴力』がそれで
す。「自己犠牲」という主題に光が当てられすぎの感はあるのですが、論考の
内容は一読に値する「宮澤賢治論」です。
誰にでもある「暴力性」、その「暴力性」に気づき一心に自身の生きざまと対
峙する「賢治」。
「賢治」は妹トシの死を境に自身の「暴力性」から「非暴力性」へと大きく方
向を変えます。
彼が「暴力性」「残虐性」へと突進しなかったのはひたすらモノの「悲しさ/
哀しさ」を識った、目覚めたため。究極、「賢治」は自身と闘う「修羅(闘争
神)」となって冷徹にモノを見つめ始めます。
「暴力」に「悲しみ」を差し込んでしまった賢治。その「心」が至った本当の
思い、それは「農民芸術概論綱要」の序論に書く「世界がぜんたい幸福になら
ないうちは個人の幸福はあり得ない」の宣言となって結実します。
「宮澤賢治」は巨(おお)きい。
入れば入るほど巨きさは増し、深み澱みはもっと青黒く深く広くなっていく。
それが「賢治」。
多くの人たちが「賢治論」をこれからも発表し、それぞれにアプローチを試み
ていくことでしょうが、私が「賢治」に近づきたいと願うのは彼が描いていた
「スケッチ」の世界を識りたい、体験したいと思うからです。
彼の「心」の基層にあって彼が見た「心象」。
「光と音への豊かな感受性」の賢治が見た「自然の世界」。
その豊かさは驚異的です。
9月の京都公演、そして今夜と続く「宮澤賢治」の世界。
さまざまな作曲家による「宮澤賢治」の世界を見たことに大きな喜びを得まし
た。千原英喜氏による二作が世界初演となります。氏の豊かな「音像」を作る
ことができればよいのですが。
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2.いよいよ明日!宮沢賢治の世界をご堪能下さい
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現代音楽シリーズ 〜宮沢賢治の世界 その二〜 は、いよいよ明日に迫りま
した!
演出や楽器との合わせも進み、本当に、明日ここでしか体験できない演奏会に
仕上がってきました。
千原英喜氏の【世界初演】「種山ヶ原の夜の歌 ―異伝・原体剣舞連」は、賢
治がつくった曲をベースに、太鼓や篠笛のメロディ、語り、囃し、叫びなど、
日本人の原風景の音で、夜の山中に出現する異世界をつくり出し、また、文語
詩稿<祭日>では、チェロの美しいメロディに心を揺さぶられます。
ポピュラーなメロディと印象的な響きでファンタジーの世界へいざなう、林光
氏の小曲集、西村朗氏の、哀しく、激しく、美しい「永訣の朝」、そして、大
編成のオーケストラと共に、闇から立ち上がる壮大なファンタジーを歌う、木
下牧子氏の「原体剣舞連」。
また、各ステージの間には、ゲストの常田富士男氏による「朗読」が賢治の
世界をいっそう広げます。そして全ステージを通して、照明の効果を加え、音
と光、そして声による、「宮沢賢治の世界」をホール一杯に響かせます。
またとないこのステージを、ぜひぜひ、お見逃しなく!
いずみホールにて、お待ちしています!
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3.演奏会情報 http://www.collegium.or.jp/html/ensoukai.html
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■今週の新着情報■
・12/22マンスリー・コンサート「クリスマス・スペシャル」の開演時間が
決定しました。
■今週の割引情報■
《10/27現代音楽シリーズ》
コレ・マガ割引をご利用下さい。(300円引き、高校生以下は200円引き)
インターネットでのお申し込みは、本日(26日)中となります。
それ以降は、当日受付にてお申し出下さい。
《12/9 J.S.バッハ/ミサロ短調》
コレ・マガ割引をご利用下さい。(300円引き、高校生以下は200円引き)
お問い合わせは、OCM事務所 06-6929-0792 まで。
《2008/3/16東京公演》
早割第2弾、好評実施中!←10/28まで。この機会をお見逃しなく!
http://www.collegium.or.jp/html/ticket.html
※65歳以上割引は各定価より300円引き。コレ・マガ割引との併用も可です。
♪♪学生、高校生以下、65歳以上割引は当日発売及びOCM事務所のみでの
取扱いです。すべてのお問い合わせはOCM事務所(06-6929-0792)まで♪♪
↓↓↓いよいよ明日です!是非ご来聴下さい!!↓↓↓
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■ 10/27(土) いずみホール
第17回 現代音楽シリーズ 〜宮沢賢治の世界 その二〜 午後6時開演
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http://www.collegium.or.jp/html/gendai17.html
料 金:S/5,000 A/4,000 B/3,000 学生/2,000 高校生以下/1,000
ピアノ:木下亜子
ゲスト朗読:常田富士男
照 明:船阪義一
◇ 平成19年度(第62回)文化庁芸術祭参加公演
◇ (財)花王芸術・科学財団助成公演
◇ サントリー音楽財団推薦コンサート
曲 目:木下牧子/混声合唱と管弦楽のための「原体剣舞連」改訂版
千原英喜/「種山ヶ原の夜の歌 ―異伝・原体剣舞連」(世界初演)
文語詩稿<祭日>混声合唱とチェロ、ピアノ、
パーカッションのために(世界初演)
林 光/「海だべがど」(「高原」合唱版)
「星めぐりの歌」(バイオリンオブリガート付)
「冬と銀河ステーション」
「鳥のように栗鼠のように」
「祈り」(「烏の北斗七星」より)
「ポラーノの広場のうた」
西村 朗/同声(女声または男声)三部合唱とピアノのための組曲
「永訣の朝」
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■ 10/31(水) 日本福音ルーテル大阪教会
第305回マンスリー・コンサート【音楽市場】 午後7時開演
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http://www.collegium.or.jp/html/monthly.html
料 金:一般/2,000 シュッツの会会員/1,300 学生/1,000 高校生以下/無料
お 話:当間修一
曲 目:W.A.モーツァルト/弦楽五重奏曲 ハ短調 K.406
ヴァイオリン…森田玲子、木村直子
ヴィオラ…白木原有子、法橋泰子
チェロ…木村政雄
G.F.ヘンデル/トリオ 変ロ長調 Op.5-7
ヴァイオリン…中前晴美、前田友子
チェロ…柳瀬史佳
チェンバロ…沖田明子
A.コレルリ/トリオソナタ Op.3-5
ヴァイオリン…梅垣恭子、松田佳奈
チェロ…柳瀬史佳
チェンバロ…沖田明子
バロック音楽の解明「J.S.バッハ/ロ短調ミサについて」
◆日本の歌シリーズ〜当間修一編曲◆
ふるさと
ほか
☆今後のマンスリー・コンサート【音楽市場】☆
第306回 11月28日(水) 午後7時開演
第307回 12月22日(土) 午後5時開演 〓NEW〓
「クリスマス・スペシャル」
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■ 12/9(日) いずみホール
J.S.バッハ/ミサロ短調 午後4時開演
〜平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業〜
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http://www.collegium.or.jp/html/h-moll2007.html
料 金:S/5,000 A/4,000 B/3,000 学生/2,000 高校生以下/1,000
・チケットぴあPコード予約(0570-02-9966 [Pコード:265-622])
曲 目:J.S.バッハ/ミサロ短調
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■ 2008/3/16(日) 第一生命ホール
第14回東京定期公演 「声と弦 その魅力の饗宴」 開演時刻未定
〜平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業〜
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http://www.collegium.or.jp/html/tokyo14.html
料 金:S/5,500 A/4,500 B/3,500 学生/2,500 高校生以下/1,500
曲 目:未定
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4.ホームページ更新情報
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大阪コレギウム・ムジクムのホームページ http://www.collegium.or.jp/
の最新更新情報をお知らせします。
●当間のトップページ
http://www.collegium.or.jp/~sagitta/index.html
最近の出来事 (07/10/19)
●当間の日記
http://www.collegium.or.jp/~sagitta/html/diary.html
No.643 女声合唱団「りんどう」が初の委嘱作品(07/10/19)
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5.編集後記
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「宮沢賢治の世界 その二」、いよいよ明日に迫りました。
賢治自身が書き遺したメロディを主題として肉付けされたファンタジーの世界、
作曲家がその詩からインスピレーションを得て自在に創作した曲、どれも圧巻
です。また一方、当間先生が私たちに語られる解釈を受け止めてメンバーは今
一人ひとりが自分なりの賢治像を抱いていると思います。
シュッツ合唱団と当間がいま世に問う、現代に生きる『宮沢賢治の世界』。
明日、いずみホールにてお待ちしております。(中橋)
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↓↓↓過去の演奏MD一覧、及びお申込み ●コレ・マガ購読特典●
http://www.collegium.or.jp/html/mdwww.html
↓↓↓過去の演奏テープ一覧、及びお申込み ●コレ・マガ購読特典●
http://www.collegium.or.jp/html/tapewww.html
↓↓↓大阪コレギウム・ムジクムCD・ビデオの詳しい情報はこちらへ
http://www.collegium.or.jp/html/cdtape.html
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