日々つれづれ
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2003年7月17日(木)
MOTHERがおもしろい


ある日を境に、僕の住んでいる街で
奇妙な現象が起き始めたんだ。

人形や電気スタンドが人々を襲うラップ現象
人を襲うことなんてなかった動物たちが凶暴になり
おじさんや、おにいさんもおかしくなった。

僕は原因を探るため街へむかった。


MOTHERはゲームボーイアドバンスのゲームで
ロールプレイングゲーム(RPG)と言うカテゴリーに分類される。

MOTHER1と2の2つのゲームが一本になって売られている。

RPGで広く知られているのはドラゴンクエストだろう。
魔法と剣、そしてスライムなどのモンスターが跋扈(ばっこ)し
ヨーロッパ中世風の世界の中で冒険すると言う設定だ。
ほかのRPGのほとんどがこの世界観を踏襲している。
敵を倒せば、経験値が入り、
モンスターなのになぜか金を持っていて
お金も手に入ってしまう。
強いモンスターほど、お金持ちなのだ。
おかしいちゃ、おかしい。

MOTHERはそれに対し、背景設定が現代であり
いわゆるモンスターは出てこない。
敵は、カラスだったり、ムカデだったり、
くま、おじさん、おにいさん、いぬ、ねこ、こうもりさん
などなど、身近にいる?ものばかりだ。

戦闘中もユニークで、
カラスは突然笑い出し
こうもりさんは自分の立場を考えたりする。

敵を殺してしまうことはなく、
動物たちは、おとなしくなり
おじさんや、おにいさんは我に返る。

戦闘後経験値は手にはいるけれど
お金は手に入らない。

お金は、単身赴任中?のお父さんが
銀行の口座に振り込んでくれる仕組みになっている。

お父さんに電話することにより、
どれくらいがんばればレベルがあがるか教えてくれたり
ゲームデータをセーブする事もできたりする。

いろんなアイテムを買うためにお金は必要で
お金はATMから引き出して使うのだ。

武器はバットだったりフライパンだったりする。

そしてゲームをクリアする重要なキーが
メロディなのだ。

なにからなにまで、新しいアイディアにあふれているこのゲーム
MOTHER1の方はファミコンのゲーム
MOTHER2はスーパーファミコンのゲームなのだ。

僕は過去に一度やっているはずなのだが、
内容を覚えていたりいなかったりで
でも、結構楽しいのだ。

今日現在すでにMOTHER1はクリアーし
MOTHER2をプレイ中。

10年以上前のゲームとは思えないくらい
おもしろい。

2003年7月22日(火)
大事なものって

先日、彼女が見つけてきた
「安倍晴明と陰陽道展」に行った。

場所はモンテヴェルディ合唱団の演奏会でおなじみの
京都文化博物館だ。


僕が安倍晴明好きと言うのを覚えていて、
それで見つけてきてくれたのだ。
それならと僕がわがままを言って、
ついでに京都にある晴明神社にも行くことになったのだ。

実はかなり前から一度は訪ねたかった場所で、
安倍晴明自身への興味のほかに、
陰陽五行説に対する興味もあった。

行く日の朝に風呂に入り、ひげも剃って
自分の身も清めて、
と実際にはどうでも良いことなのだけれど
それくらいの期待を込めての訪問だった。

地下鉄の今出川で下車、
いつも邦人の演奏会で使う府民ホールアルティの最寄り駅だ
西の方に向かって歩いて
広い道路を南に沿ってしばらく歩くと
それはあった。

しかし・・・

ある種の神秘さと厳かさを期待していた僕は
ひどく落胆することになる。

周りにマンションなどが建ってしまったのは仕方がないとしても
小さい本堂以外、
敷地やそれ以外の建物が
全く新品同様になってしまっていたのだ。

元はどんな感じであったが全く想像できなほど
変わってしまっていた。

映画公開のせいなのか、
昨今の安倍晴明ブームのせいなのか
ライトアップ用のライトまで設置されているのには閉口した。

いったいどういうつもりでこうしてしまったのか?

どんな感覚で、ここまで変えてしまったのか?

安倍晴明を訪ねてくる人を見越したのは見え見えで
境内に彼のエピソードに関する絵入りのパネルを設置したり、
入り口付近には作りかけの関連グッズの販売所があったり
寄付をしてくれる人に対する特典商品に至っては
センスを疑うものばかりだ。

まるで安っぽいテーマパークのようなのだ。

安倍晴明が好きで訪れる人でも、一度行ったら
もう二度と行こうとは思わないだろう。

いくつかのWebサイトに
そう遠くない過去の晴明神社の写真が載っていたが
それとは、全く別物だった。

なんか神主が私物化しているようで許せない気持ちだ。

大事なものって何か
本当に考えさせられてしまった。

2003年7月24日(木)
T3を見に行った

最近時間があると映画を見に行くことが多くなった。

合唱団に入って忙しくなったから見に行けなくなった
と、思っていたけど、要は本当に行きたかったかどうか
の問題だったようだ。

最近は専らSFばかり見ている。

つい先日見たのはターミネーター3(T3)だった。
まぁ、面白かったかな、と見た直後は思っていた。
でも、なんか、こう、胸につっかえるというか
すっきりしない感覚があって、
困ったことにそれが何なのか
自分でもよく分からなかった。

とある店のDVD売り場で、前作のターミネーター2(T2)が
モニターに流れていたのを見て、
自分のモヤモヤした感情の正体が何かはっきりした。

自分でも不思議だったけれど、
昔の記憶を思い出したような感覚だった。

僕はどうやら「T3」に対して怒っていたのだ。
そして、僕はT2を気に入っていたのだ。

ターミネーターシリーズの物語の骨子は
スカイネットと言う軍事コンピューターが意志を持ち
人間に対して反乱を起こし核攻撃により
人類の殲滅を計ろうとする。
核により人類は激減し、スカイネットを中心とした
機械が支配する世界に変わってしまう。

わずかに生き残った人間は機械に対して反乱を起こし
あるリーダーの元で勝利をつかむのだ。
リーダーの名前は「ジョン・コナー」
そしてその母親は「サラ・コナー」
スカイネットは自身の陥落寸前に
過去へ刺客を送る。

その刺客がシュワちゃん演じる
人間を殺すために開発されたロボット
ターミネーターなわけです。

「1」ではまだ学生だった「サラ・コナー」を抹殺するために
ターミネーターが送り込まれる。

「2」では、息子でまだ中学生の「ジョン・コナー」を抹殺するために
いろんなものに化けることが出来る水銀の様なターミネーターが送り込まれ
前作で母親を殺しに来たターミネーターがプログラムを書き換えられ
ジョンを守るために送り込まれる。

「3」は公開中なので割愛。

「1」で平凡な学生だったサラ・コナーは未来の出来事に
否応なしに巻き込まれるのだ。
そして、未来において人類のリーダーとなる息子を身ごもる。

「2」では、避けられない未来を知ってしまったサラは
変人、危険人物扱いされ、精神病棟(刑務所の独房かも)に
収容され、息子と離ればなれに暮らすことになる。

物語の詳細はここでは書かないけれど、
サラは自分の巻き込まれた運命を受け入れ、
そして、最悪の未来を回避しようと懸命になるが
非情に徹することが出来ず、葛藤する場面がある。
息子のジョンは母親からリーダーになるべく
徹底したサバイバルや戦闘の訓練を受けるが
実感はなく、ただの町の不良少年に身をやつしていた。
しかし、目の前に現れたターミネータにより
彼もまた、避けようのない運命に巻き込まれていく。

「2」は僕にとってサラの物語とも言えるのです。

自分の背中に世界の命運を背負ってしまった女性、サラ。
背負ってしまったが故に苦しみ、葛藤するのです。
当時SFXの技術も話題になりましたが、
「2」では結構、人間がしっかり描かれていたのです。

それが「3」では、なんか軽くなってしまったんですよ。
監督が替わったせいもあるかなぁ。
人物の描かれ方、掘り下げが浅いと感じてしまいました。
サラも白血病で死んだと言うことになっていて
全く登場しませんし。

サラ・コナーを欠いた時点で、映画ターミネーターとしては
背骨が抜けてしまっていたのかもしれませんね。

2003年7月26日(土)
どこが気に入っていたのか?

「T2」(ターミネーター2)が気に入っている
と書いたけれど、どのあたりかというと・・・

最初、主人公のサラは突拍子もない未来のことを
信じることが出来なかった。

しかし、自分を抹殺しにくる
不死身のロボット、ターミネーターを目の当たりにして
信じざるを得なくなる。
そして未来の人類のリーダーになる子供を身ごもるが
その悪夢のような未来を知る者は彼女1人になるのだ。

そして時が流れ、あり得ない未来を語る彼女は
変人、危険人物扱いされ、成長した息子とも
離ればなれになることを余儀なくされる。

そしてまたターミネーターが、一つは敵、一つは味方
として再びサラの前に、彼女を助けにきた息子とともに
現れる。

ここで、プログラムの書き換えにより味方になった
ターミネーターからより具体的な未来を聞かされる。

ここで彼女の息子もこの事実を共有することになるけれど
背負う度合いはやはり彼女の方が大きいのである。

スカイネット(意志を持ち人類を滅ぼすコンピュータ)を
開発した企業と、中心になった技術者の名前がここで分かる。

しかし、その彼(開発した技術者)は
【まだ】そのコンピュータの完成には至っていない。
でも、このまま放置していれば、やがて開発してしまい
それが原因で、大半の人類が滅ぶことになる。

彼女は彼の自宅を襲い、彼を殺す寸前まで行きます。
彼女は彼が行ったことで人類が滅ぶことを知っている
でも、彼はまだ何もしていない、
しかし、彼が開発したコンピューターのおかげで
平凡な学生だった彼女の人生は無茶苦茶になり
世界の運命を背負い込むことになってしまった。

でも、まだ彼は何もしていない・・・・。
そして、彼は何も知らないのだ。

自分の日常に照らし合わせても、
自分だけが知っている未来がある
他の人は全く知らない。
確信はあるけれど、しかし、見たこともない未来
心は揺らぐのだろう。
自分のやろうとしていることは正しいのか、
間違っているのか?

人類を救いたいという高尚なことではなく
回避できるのなら、この悪夢をなかったことにしたい。
でも、何も知らない、まだ何もしていないこの人を
自分は殺すことができるのか?

サラの苦悩する様が僕の脳裏に焼き付きました。

それがあったからこそ、
架空の産物であるターミネーターに妙なリアルさを
感じることが出来たかなぁ、
今はそう思います。

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