先日、彼女が見つけてきた
「安倍晴明と陰陽道展」に行った。
場所はモンテヴェルディ合唱団の演奏会でおなじみの
京都文化博物館だ。僕が安倍晴明好きと言うのを覚えていて、
それで見つけてきてくれたのだ。
それならと僕がわがままを言って、
ついでに京都にある晴明神社にも行くことになったのだ。
実はかなり前から一度は訪ねたかった場所で、
安倍晴明自身への興味のほかに、
陰陽五行説に対する興味もあった。
行く日の朝に風呂に入り、ひげも剃って
自分の身も清めて、
と実際にはどうでも良いことなのだけれど
それくらいの期待を込めての訪問だった。
地下鉄の今出川で下車、
いつも邦人の演奏会で使う府民ホールアルティの最寄り駅だ西の方に向かって歩いて
広い道路を南に沿ってしばらく歩くと
それはあった。
しかし・・・
ある種の神秘さと厳かさを期待していた僕は
ひどく落胆することになる。
周りにマンションなどが建ってしまったのは仕方がないとしても
小さい本堂以外、
敷地やそれ以外の建物が
全く新品同様になってしまっていたのだ。
元はどんな感じであったが全く想像できなほど
変わってしまっていた。
映画公開のせいなのか、
昨今の安倍晴明ブームのせいなのか
ライトアップ用のライトまで設置されているのには閉口した。
いったいどういうつもりでこうしてしまったのか?
どんな感覚で、ここまで変えてしまったのか?
安倍晴明を訪ねてくる人を見越したのは見え見えで
境内に彼のエピソードに関する絵入りのパネルを設置したり、
入り口付近には作りかけの関連グッズの販売所があったり
寄付をしてくれる人に対する特典商品に至っては
センスを疑うものばかりだ。
まるで安っぽいテーマパークのようなのだ。
安倍晴明が好きで訪れる人でも、一度行ったら
もう二度と行こうとは思わないだろう。
いくつかのWebサイトに
そう遠くない過去の晴明神社の写真が載っていたが
それとは、全く別物だった。
なんか神主が私物化しているようで許せない気持ちだ。
大事なものって何か
本当に考えさせられてしまった。