八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.97


【掲載:2017/03/02(木曜日)】

やいま千思万想(第97回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

「子どもクラシック・カフェ」という企画

 私の住まいは大阪の中核市である豊中市。中核市(日本の大都市制度の1つで、特に福祉に関する都道府県の事務権限が市に委譲されている)の指定要件は「法定人口が20万人以上」ということになっているらしい。
現在の総人口は約39万6千人(推計人口、2016年10月1日)、大阪市や吹田市、池田市、そして風光明媚な箕面市に隣接しています。その豊中市に住み始めて35年程になります。
それまでは転々と住居が変わっていましたが、現在、住んでいるこの街、地域が気に入っての長居です。それは箕面の山々が見えて閑静な住宅地というのが一番の理由かもしれません。
石垣にもあるように行事も盛んで、文化行政にもこれまで以上に力を入れ始めているようです。
豊中まつり、美術展、文化芸術祭などの文化芸術振興事業の実施(つい最近その拠点となる「文化芸術センター」がオープン〈大ホール(1344席)・小ホール(202席)〉)のほか、ロビーコンサート、沖縄市との兄弟都市交流、市民ギャラリーなどを実施しています。
そういえば、住み始めの頃、市内の至る所に沖縄のポスターが貼ってあるのを見かけると「兄弟都市なんだ!」と妙に感心したものです。
 さて、その豊中市から私の「大阪コレギウム・ムジクム」に子どもたちのための音楽会を、と去年の末に依頼がありました。市の担当の方も仰ってましたけれど、「こんなに長くお住まい頂いているのに、なかなかお頼みすることもなかったですね」との御挨拶。本当にそうですね。もう少し住んでいる地域を活用させて頂ければ良かったし、そうすべきだったのかもしれないのですが、事務所を大阪市内に作った事もあって、音楽の仕事は大阪府や市の関係が多くなっていました。賞など頂いたのも国の文化庁や大阪市、大阪府からでしたね。
で、そんななかで今度の豊中市からの企画は嬉しかったです。

 豊中市からの依頼は「子どもクラシック・カフェ」と題した四回シリーズで(1月から2月にわたっての二ヶ月間)、子ども体験型講座(ワークショップ)&音楽鑑賞(本格的な曲による)。
このような企画にうってつけの団と自負する私。長い年月をかけて作り上げてきたノウハウがあるとの自負です。
 その四回にわたった演奏会も昨日(2017年2月26日)で終わったのですが、入場された親子、おじいちゃん、お婆ちゃんのお顔を拝見する限り、また書いていただいたアンケートでの感想を読ませていただく限り、皆さんにとても喜んでいただいたようです。
担当の方も想像を超えたその反応に、「企画を立てた意義を確かめることができました」、とのお話。「OCM」の方々に出演して頂いて本当に良かった、との笑顔でのご感想。
この企画、市からの広報で募集すると申し込みが殺到し、直ぐに定員オーバーになったそうです。
音楽に深い関心を持ち「子どもに良い環境としての音楽を」と、それらを熱心に思っていらっしゃる方々の思い。やり甲斐のあるコンサートでした。





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