八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.166


【掲載:2020/03/12(木曜日)】

やいま千思万想(第166回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

石垣島訪問、それはとてもラッキーな日々…?

   2月25日(火)から3月2日(月)まで、久しぶりに(約4年)石垣島を訪れました。
空港に降り立って「ただいま」と呟いてしまいました。
今回は大阪からではなく東京羽田からの便、肌寒かった東京に比べていつもの暖かさ(日光は刺すように痛かったですが)。
後で昨日まではとても寒かったと伺い、なんてラッキーな訪れになったのかと感謝。「晴れ男」の面目躍如です。
その後滞在中もほぼ良い天気が続きましたから、その1週間は快適でした。

 さて、今回は潜るわけでもなく、友人たちと話すことが目的でもなく、ノンビリと八重山時間を堪能したいがための滞在と決めてきました。
しかし、そんな目的であってもやはり会いたい人はいるもの。
連れ立って来たメンバーが連絡をとってくれ、それらの方々と会えた時間は貴重で有意義なものとなりました。
人生様々です。ご病気になられてなんとお声をかけて良いものかと戸惑う程の面会。でもその方の実直なお話に涙。
人間ってなんて哀しく、愛おしく、そして弱くて強いものか!と改めて思いました。その方には「またお目にかかります」とお約束をしてお別れしました。

 島である故の様々な問題、ここでもそれが露呈されていたと感じましたね。
私のようにストレスから逃れ、ノンビリと過ごそうとの思いと、現実の生活者としての実態や思いが対照的に浮き彫りになります。
レンタカーで島を巡ります。
これまでで見知った場所が多くなったと思っていましたが、いえいえ、まだ知らなかった場所があり、そして人が住み始めていました。

 大阪から渡って来て野底でお店を開かれたご夫妻、そのご夫婦から教えてもらった近くの海岸。
そこは「水晶浜」とも呼ばれていたのですが…。
水晶が取れるかどうかはわかりませんが、その浜はとても見晴らしの良い美しいもので、地元の方しか入ってこれないだろう細い獣道のような通路を通って観た瞬間「あ!」と声を出した私。
本当に美しかった。
潮が引いた浜は歩いて向こうの浜までも行ける。そこは山から流れてきた川が海へと注がれる場所。時間も忘れるほどの体験でした。

 街には新しい建物が増えましたか?改装されたものも有りましたね。
この4年は長かったのか、短かったのか。
「陸自配備計画地」も見ました。
立看板には反対!の表明。本土でもいくつも見てきた光景です。この風景を石垣島で見るとは。
推進派も、止めようとされている方々も、両者にとって心の平安をもたらすような方法はないものかと深く考え込んでしまいます。
常に見てきました。力と力がせめぎ合い、多くの人々が傷ついた情景を。
そして力の強さでは解決されていないことを。
本土ではこの事があまり関心事でないのも気になります。
帰阪の日、空港近くで珍しい看板を見つけました。ちゅらいも「紅っこそば」?
おじさんが自分の畑で取れた紅芋をそばにしている。
モチモチした食感で美味しかったです。
新たな挑戦ですね。これを見てちょっとホッとした私です。  

 



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