八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.168


【掲載:2020/04/09(木曜日)】

やいま千思万想(第168回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

世界的な広がりを見せる「新型コロナウィルス」対策について〔その二〕

   日本も新局面に立たされていますね。
何か楽しい話題をとも思ったのですが、それも影を落としそうで、「新型コロナウィルス」を直視してのコラムを書こうと思いました。
重い空気が一層重たく伸(の)し掛かってきています。
「新型コロナウィルス」が身近にどんどん迫ってくる感じです。これは大都会にだけではなく、日本全体にわたって起こっている現象でしょう。
どこか余所(よそ)の地で起こっているのではなく、今、ここにも起こる!ということですね。

 石垣島も心配です。
すでにアナウンスされているようですが、島への立ち入りは本当に慎重にならなければなりません。
島で感染が起こればそれは大変なことになります。予想を超えた事態になること間違いありません。
それにしても「新型コロナウィルス」のことはまだ謎のままですね。
根拠を疑わせるような情報が飛び交い、動揺が交差しながら走っている中、若い人はかかりにくいと言われていたのが、赤ちゃんまでもが感染するとのこと。
もうウィルスは容赦なく人類に襲いかかってきているようです。
その結果何が見えてきたか。
感染者、医療者、その他あらゆる職種の人々がそれぞれ必死に対処をと、奔走している様さえも見えにくい社会であることが残念なことですが、露呈されてきています。

 これは本当に歴史的な出来事です。
私の主宰する演奏会、それに伴う練習、及び講座などは中止、あるいは延期ということを決めました。
錯綜(さくそう)する情報の中、人が、換気の悪い狭い場所で、密集して、長時間集まるのは避ける!ということは感染を防ぐ基本的なこととして認知されています。
私たちのように人が集まることが仕事である者にとっては大打撃となる対処法です。
しかし、今となっては先ず〈集まりを避ける〉ことから始めなければならないことは自明。決定は妥当な判断であったと思っています。

 状況の長期化が予想されています。
何ヶ月という間ではなく年単位である、という意見もあります。
想像したくないことですが、これまでの歴史的なことを振り返ればそれもあり得ると思う私です。
早くウィルスに対抗する方法(ワクチンなど)が見つかることを望むばかりです。
素晴らしい人材が日本にいらっしゃるはずです。しかし、その人影も見えてきません。我々にとって先ず必要とするものは〈救いのコメント〉です。
自粛はしましょう!しかし、それに伴う先行きの道筋をコメントしてもらわなければとんでもない不協和な事態が起こること間違いありません。
国家の体質が試されている、と言って良いでしょう。
何か明るい、楽しい話題が欲しいですね。
あれこれと考え、思い出そうとするのですが行き着くところは〈人間の質(しつ)〉という所。
どう明るくするか、楽しくするかにかかってきます。
全ての人々が互いに知恵を重ね、信頼しあい、協力して、難を超える。早く明るい兆しを見たいものです。
希望となる光を。あらゆる人が平安の心に至る道筋を。  

 



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