八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.133


【掲載:2019/2/17(日)】

音楽旅歩き 第133回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

健康を保つ、それは呼吸法を変えてみることです

 今回は体のメンテナンスについて書いてみようと思いました。
心身共に健康を保つ、これは日々心がけなければならないことですね。
やっかいなのはこの事に気が付くのは体調を崩し始めた頃であることです。
健康を保っているのならば気が付かないかも知れません。
しかし、気になった時は既に体の各部のバランスが悪くなっている時、ですから「人間」はいつか「健康を保つ」ことの問題と必ず向き合うことになります。
最近、書店に行けば店頭には健康を扱った本が多く並んでいます。
またネットでもその話題が豊富に流れています。
これは体の不調であるとか、不安を持っている人たちが沢山いらっしゃると言うことでしょう。関心度が高いのですね。
私は発声も教えていますから声を健康的に維持し、またそのためにより良い環境を保たなければならない事柄に常に感心を持ちます。
声を出すこと、それは体全体の「健康」と繋がります。
今回はその中でも最も重要な「呼吸」の大切さについて書きたいと思いました。「呼吸」を正せば健康になる、でしょうか。
私は机に向かっていることが多いです。そしてそれは座っている姿勢が長いということでもあります。
その時の呼吸は浅く小さな動きの「胸呼吸」。本来、呼吸は深く長く保たなければなりません。
ですから浅く小さな動きの呼吸では健康を保つことは難しいのです。
健康維持のためには運動をしなければならない、とよく言われるのですが、それは息を吐いたり吸ったりする動きは、強く、深く、長く保つことが大切だということでもあります。
飛んだり、走ったり、回ったりして体を習慣的により多く動かせば良いのですが、皆ができるわけではありません。
ではどうすれば良いのか?
座っている時にも息を強く、深く、長くする呼吸法を使えば良いのですね。
それが「臍下丹田(せいかたんでん)呼吸法」とか「腹式呼吸法」と呼ばれるものです。
これは意識して下腹部あたりを脹らませるように息を入れ、維持し、できるだけお腹を凹(へこ)まさないよう、脹らませたまま息を吐いたり、吸ったりする呼吸法です。(一日に数回この呼吸法を使うだけで効果は大です)
この方法は「腹腔内圧(ふくくうないあつ)」を高めた状態での呼吸、とも言えます。
これ、「言うは易(やす)く行うは難(かた)し」です。とても難しいです!
人間、赤ちゃんの時はこの呼吸だったはずなのですが、段々とそれは失われていくということになりました。
ですから、それを取り戻すことはとても難しいのですが、やはりこの呼吸法が人間にとって最適だということが最近証明されはじめていて多くの人々の話題になっています。(その中の一つ「スタンフォード式疲れない体」山田知生著を紹介しておきます)
呼吸法と共に「立つ」ことの重要性。
その姿勢の保ち方が健康の礎石(そせき)です。
座っていることの多い人は(私もそうですが)30分に一度、少なくとも1時間ごとに立ち上がってみることが良いですね。





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