八重山日報コラム
『「経験」と「想像」とではその思考結果は異なるのだ!』と、思う私です。
【掲載:2019/2/03(月)】
音楽旅歩き 第132回
「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一
「経験」と「想像」とでは思考結果は異なる?
「人」って経験によって知ったことは決して忘れる事も記憶も薄らいでいくこともありません。
ただ、辛いことに基づいての経験は忘れようと脳は努力する。
自分を、もう一度辛い目に遭わないように防御するらしい。しかし、意識下においては決してそれがなくなっているわけではないのですね。
人間はこの経験によって歴史を積み上げ、そして進化(であって欲しいと願いますが)してきました。
自身が、そして人々が経験によって感じたことこそ真実だと思う私です。
頭(脳)の中での働きが色々とうごめきます。
脳が考えることの中には経験に依ったということもありましょうが、経験に依らないこと、敢えて言えば「事実」でない思考が挟(はさ)まっているかもしれないのです。
それは「真実」ではない可能性もあるということですね。
辛い思いをしないできた人は(自覚していないだけかもしれませんが)、辛さを持った人のことは解らないかもしれません。
逆に辛い思いを知った人は、辛さを持たない人の思いが理解できないかもしれません。
その間(はざま)に「想像」という互いを繋ぐことも可能な働きがあったとしても、上手く働かせることが出来なければこの両者の溝はそう簡単には埋まることはないように思います。