八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.148


【掲載:2019/12/03(火)】

音楽旅歩き 第148回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

時代は否応無しに突き進んで来る、私たちはどのように対処するのか?

 私が使っているコンピュータのOS(オペレーションシステム)のバージョンアップ通知がやってきました。
こういう時は一瞬緊張します。
これまでも幾度も行ってきたのですが、それはどんどん使い勝手が良くなっていきながらも、中には今まで便利に使っていたソフトが使えなくなってしまって、
その後の対処が大変になることがあるからですね。
新しいバージョンから想像するに、現代は幾度か歴史の中で起こっていたような科学の進歩加速の時代に入ったかもしれません。
しかし最近よく耳にする「以前に比べて、日本は世界の様々な水準から遠く遅れてしまった」という意見。
まぁ、私も狭い分野の世界ではありますがそれを実感することが多くありますから、きっとその意見も間違いではないでしょう。
早く、以前のように多くの分野で日本が〈先頭を切って走っている〉、というニュースを沢山見たい気がします。

 いつの間にか世界の科学はとんでもない所に到達しているようですね。
人類がどんどん宇宙に向かって探索を拡げ、遠い遠い未来には地球以外に移り住もうと宇宙的視野での計画があるそうです。
人類、なかなか棄てたものではないですね。気の遠くなる話ではありますが。
身近にも、生活の中で随分と変化しているものがあります。ちょっと皆さんも見渡してご覧になるといいかもしれません。
気が付かないかもしれませんが、確実にその渦中に居ると思います。

 島では大都市のように大急変するということはないかもしれませんが、今も、そしてこれからも最先端の科学を応用したものが生活の中に入って来ると思いますね。
人間にとってそれが良いことなのか、それともそうではないのかはいつも意見が分かれるところですが、時代は、歴史は、否応無しにそれを押し進めてくるものだと知るべしですね。
今流行のAI(人工知能)を応用した機器。
ビックリするほどその応用範囲は広く様々な分野に現れています。

 いつだったか、〈レオナルド・ダ・ヴィンチ〉の頭の中をAIによって解明しようとするTV番組がありました。
詳細は省かざるを得ないのですが、行き着いたところは「水」という〈言葉〉だったそうです。
「水」こそが人類の根源であると!レオナルドはその行き着いた過程の中であらゆる事に興味を持ち、そして探求。
そこで培い、手にいれた技術でもって大天才の創造物と言わしめた絵画(特に「モナ・リザ」や「最後の晩餐」など)、
彫刻、建築、土木、科学、数学、工学、天文学において人類史上極めて重要な足跡を残したというテーマです。
その番組での大事なメッセージがありました。
それは全ての分野の壁を越えて統合、結び付けたのがレオナルドだったのだと!。
それが大天才の正体なのだと示唆したのです。
同感ですね。
我々はそれぞれの専門分野を乗り越えて結び合い、統合して思考を進め、押し迫って来ようとする〈進化のうねり〉を乗りこなすべきなのでしょうね。  





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