八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.149


【掲載:2020/01/19(日)】

音楽旅歩き 第149回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

良き友、適確なアドバイザーを持つことは人生最高の誉

 新しい年を迎えました。今年も良き一年となりますように、と祈願します。
嫌なこと、悩ましいこと、不安なことなどが少しでも解決に向かい、好きなこと、喜びのワクワク度が増し、
幸せ感をより増す行動へと向かう事ができますように、と昨年を振り返りながら強く思います。

沢山の演奏会をこなしてきました。演奏後のアンケート、メールやSNSなどでも嬉しい感想を頂きました。
活動の意義を適確に捉えてくださっている言葉がそれぞれの視点から寄せられていましたので、
手前味噌ということでなく、納得できる、意義ある演奏会を続けてきているのだと思って良さそうです。
演奏とは「自己表現」だと書いてきました。
それは歌や楽器の〈妙味〉を魅せることだけではありません。自身の技量を誇ることだけでもありません。
「自身のメッセージ」を伝えているかです。先人から、そして自身の心の底から湧き上がってきた、〈伝えたいこと〉を音楽を通して表現することです。
人真似で終わってはなりませんね。
人の代理となってしまうのも良いものではありませんね。自身の言葉として、自身の信念とする表現であるべきです。 昨年の一年間は私の心身強化の期間だったように思います。
私は周りの人たちより「70歳」ということを意識しすぎていたようなのです。
「年相応に!」この思いは別になくても良いですね。

 衰えは来るものでしょうが、己を過信することなく、必要なる心身のメンテナンスを怠ることなく、先ほど書いた「湧きあがるメッセージ」を追い続けていれば、
歳を意識する必要などありません。日々は楽しく過ごすことに繋がるはずです。
ただ、自身だけの考え方、過ごし方で言動を押し進めたり、あるいは抑制、留意するのでなく、良き友と人生を歩めたらどんなに幸せなことか。
どれほど良き道を見つけられることか。アドバイスという類(たぐい)でなくても構いません、一緒に居るだけで、置かれている今の場所と方向が解る。
それが「良き友」の良さです。
仕事に関しての友は沢山います。しかし敢えて言えば「仕事の友、仲間」は「友」とはならない時もあります。
それぞれが自身の生活に誠実になりたいと思えば思うほどどうしてか離れて行ってしまうこともあります。
それはきっと底のところで互いの「利害」と「固執」が絡んでくるからでしょうね。自分の人生にこだわりが強いからでしょうか。
友達は同性でも良し、異性でもよし。
お互いを尊重し、認め合い、理解し合いたいと思っているのならば、それは最高の友達です。

 歳の差も関係ないと私は思っています。
歳が上であっても下であっても、そのことで付き合い方、接し方が変わるはずはありません。
我が国ではそこのところにこだわりが残っているようで、思いの外このことで真の友達を失っているようにも私には感じられます。
同線上で互いを観たいですね。上下関係の中で相手を見ればあらぬ所へ引っ張られて行くようで私は緊張します。
今年も良き友が生まれますように!  





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