じゅずシュッツ・番外編


〜原田匠彦くん(なるちゃん)の和訳による「日本知ったかぶり」の 連載第3回です。さて、1冊訳し終わるまでにはいつまでかかるのでしょうか・・〜


Bluff your way in Japan
「日本知ったかぶり」
―イギリス人がイギリス人のために書いた本―

著者 Robert Ainsley
和訳 原田 匠彦


The Country 国土

日本人は自分がどの島出身かということを強く意識するので、日本を構成するそれぞれの島について少し知っておこう。
主な島は4つだ。

1.ホンシュー
 日本最大の島。その一部はフジ山とトーキョー、そしてそれ以外はトーキョーの郊外だ。
もしあなたが日本人に会って、その人が自分はどこそこに住んでいると言って来たら、「そこは丁度トーキョーの外側ですね。」と答えられる。それは常にあたらずとも遠からずだ。
あらゆる重要なもの─化学工業、高速道路、人工過剰、公害─はホンシューにある。

2.ホッカイドー
 これは「北海への道」を意味するのだが、ローマよりもずっと南にあるということを知るべし。
日本の乳製品は、ホッカイドーからやってくる。
その理由は、ホッカイドーが牛を放牧する余裕のある唯一の場所だからだ。
もし牛乳を見たら、その牛乳はホッカイドーから来たやつですかとたずねて、日本農業の社会基盤の知識をもって、皆に自分を印象づけるべし。

3.シコク
 「シコクは何かで有名なのですか。」
 この質問で、日本のどんなグループも、何時間もの間議論で忙しくなる。

4.キューシュー
 最南端の島。
日本の群島には大きな島は明らかに4つしかないのにも関わらず、キューシューは「9番目の島」(注*)という意味である。
これを説明するための乱暴な理論をこしらえるべし。
キューシューは甘いタンジェリンで有名である。’satsuma’という言葉は、その地方を表す古い日本の地名だ。
あなたの世話役にまっすぐ目を向けて、厳粛にこう言うべし。
「この果物は英語で’satsuma’(注**)といいます。」
これで日本人は混乱する。特に彼らはその果物を「ミカン」と呼んでいるのだから。

 1億2千万人いる日本人のうち、約半数の人々があなたの日本滞在中に街角であなたの所にやって来て、日本についてどう思いますかと尋ねてくるだろう。
日本は世界でもっとも人が密集して住んでいる国か否かについて良い討論ができる。
ベルギーやオランダの方が平方インチあたりの人口は多い。
しかし「居住可能」な地域で考えると、日本の方が人が密集している。
日本の6分の5は険しい山岳地帯で、居住不可能である。そこには道路も家も工場もなく、あるのは松の木だけだ。
残りの6分の1、ほとんど海岸沿いは居住不可能である。
なぜならばそこには道路、家、工場以外何もない。


(注*)著者は「州」を’a country’ではなく’a continent’と解釈しているらしい。原文には’nine island’とある。冗談か本気かは分からない。
(注**)’satsuma’は「タンジェリン」=「温州みかん」をさす英単語である。
 

〜〜〜連載 第3回 終わり〜〜〜



演奏会案内のページへ
会員広場のページへ