八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.170


【掲載:2020/04/23(木曜日)】

やいま千思万想(第170回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

「新型コロナウィルス」対策について〔その四〕

  ますます「新型コロナウィルス」感染が深くしつこく広がっています。
このコラムもずっとこのテーマで書いていますが、今、本当にこの国は世界の何処に位置し、何処へと向かっているのか、その混迷ぶりが顕著に現れ始めているように思います。
それが不安となって書き続けているのだと思います。

 ヨーロッパの国々で状況が終息へと向かいつつあるとの報道のなか、我が国はどうも行き先が見えません。
それどころか一層理解不能な報道・情報が続いている、と思う私です。
様々な情報が飛び交う中、その混迷の原因が我が国の政治にあるのではとの意見が増え始めているようです。
色々なそれぞれの思惑があるでしょう。しかし、どう終息させるか、そのことこそが重要であるということは自明です。
もう一度書きます。この国は一体どこへ向かおうとしているのか、その道筋が見えてこないのが一番の大きな不安なのです。

 本土では本当に身近に、日増しに「明日、死ぬかも知れない」との思いが強まっています。
実のところ、感染者数は示されている以上に多いでしょう。その中で、口惜しさが残るような重症化、重篤(じゅうとく)化、亡くなり方は誰もが望んではいません!
一日も早いこの事態を安心させてくれる策をこの国の政治、リーダーが示してくれるように強く望みます。
リーダーは一人一人の「命」が見えていなくてはなりません。
人の人生を尊ぶ気持ちがなくてはなりません。 人間の「尊厳」を尊ぶ気持ちがなくてはなりません。
それが見えなくなったとき悲劇が、人災が起こります。世界は、人類は、絶妙なバランスで歩んでいると思います。
歴史をたどれば人類は現在からは到底想像できないほどの災難に遭ってきています。
人類が滅びるような事態が幾つもありました。奇跡の重なりで人類は、いや地球が保たれています。科学はそのことを次々と解明し、示しています。
この地球で奇跡とはいえ人類は自らの生命を繋ごうと、しぶとくもがき続けてきました。
それは何と強い生命力であることか。生きながらえようとのその生命力を信じましょう。
その育んできた命の尊さを振り返り、未来へと繋ぐ営みを続けましょう。小さな価値観でなく、大局的な思考でもって策を練って命を尊び、存続させる。
それこそが今一番望まれていることだと思います。

 我が国がこれまでに経験したことのない事態が起こっています。
それをコントロールできるのはこの国の現政府であり、そのリーダーです。
国民はそれらを心から信頼することによって一つとなり、この大惨事を克服する力と成り得ます。
これまでの政策、私には歯がゆい迷走としか映りません。多くの方々が亡くなっています。
働き盛りの年代が襲われています。
その中で、年齢の高い人、基礎疾患を持っていた人、その人々が「仕方ない」という思いをもたれて送られるのは余りにも悲しいではありませんか。
一刻も早く、信頼できる政策が全ての国民に向かって発せられることを求めます。

 



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