八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.172


【掲載:2020/06/04(木曜日)】

やいま千思万想(第172回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

まだまだ油断はできませんが機智に富んだ対策で活動を

 自分がやるべき事に必死で取り組み、努力し、継続させる、
そのような地道な歩みが自分自身に、そして人にも「何か」を与え、エネルギーとなって「生命」を共感し得ている、そう思っています。
そんな行いは目立ってはいなくとも誰かが必ず見ているのではないか、
そしてその事で人間は脈々と息づいて来たのではないか、そんな風に思っています。
ちょっと気恥ずかしい理想論でしょうか。

 「新型コロナウィルス」のことが少し解りつつあるようですね。
感染が始まった頃の事を思い出せば、その対策も以前とは変わってきているようです。
いよいよウィルスとの闘いが本格的になってきたのでしょうか。勝利へと向かって。

 しかし、忘れてならないのはこれからもウィルスはずっと人間を襲い続けるということでしょう。
正体を知り、賢明な対策を施し、ある時期は〈共存〉し、そして最後には人間の命を脅かすことのないモノとする。その繰り返しですね。
私の活動も少し前が見え始めてきました。
霧が晴れていくような感じです。まだまだ気を抜くわけにはいきませんが、どのようにすれば良いのかが姿を現し始めたと見ます。
初心に帰って「音楽とは何か?」を問い続ける活動の〈継続〉を進めたいですね。

 昨日、隣町といってよいでしょうか。近くにありながら一度も訪れることのなかった公園を散歩しました。
これも「新型コロナウィルス」対策で在宅が続いたお陰です。そういう時間の余裕がなければ訪れることもなかったのではないかと思います。
行って良かったですね。
石垣に訪れている時も公園をよく歩きました。それが無類の楽しみであり、また喜びでした。それは「森林浴」ですね。
それから海に囲まれているが故の島特有の人間性への目覚めです(説明が難しいです。
生かされている人間であると改めて感じる感動、でしょうか)。何ごとにも代えがたい時間を沢山頂きました。
今回訪れた公園も都市部にありながら草や花や木立、そして竹林がよく整備されており、
それがとても素敵な空間として、住宅の密集している地域の中にしっかりとその存在感を示していました。
夕方訪れたのですが、歩いている人、ジョギングしている人、子どもたちも走っています。
ある子どもが私の横を走り抜けようとしたとき「こんにちは!」と声を掛けてきたのですね。
こちらも声をかけようと「がんばれよ!」なんてつぶやこうとした時でしたから不意を突かれたようで、しかしとても嬉しい驚きでした。
都会にはそのような風景は少なくなっていたのですから。
その子どもは何度も振り返りながら走って行ったのですが、その後を追うように走っていたのはもしかするとご両親だったのかもしれません。

 池の周りを一周した散歩でした。美しく、力強く土から天に向かってその生命力を競う姿は眩(まぶ)しかったです。
曇っていて、日も落ちかけている時ではありましたが。
各団とのオンラインでのミーティングが盛んです。いよいよ始動の6月となりそうです。 

 



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