八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.186


【掲載:2021/02/11(木曜日)】

やいま千思万想(第187回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

さてこの「コロナ禍」の中で新しい歩みが始まりました

 暖かくなってきましたね。
立春が過ぎたところですから〈成る程〉とも言えます。しかしまだまだ寒暖の差が激しく体調を整えるのに苦労します。
地球は「温暖化」であるわけですから〈暖かく〉ではなく〈熱く〉なっていると認識しておいた方が良いかもしれませんね。
その流れの中での振幅です。

 体調といえば、「コロナ禍」がどんどん変化していますね。ウイルスの変異、感染の拡大。
そのことに伴う国の経済、医療の逼迫(ひっぱく)。もう後がないという状況でしょう。
日々感染状況を報道するテレビ。政府に対するコメントが熾烈(しれつ)さを帯び始めています。
この国の未来をやっと皆が心配し始めたのではないかと思う私です。

 「一人一人を大事にする」「皆が幸福と感じられる生活」。何となく流れに従う生活や思考では対策を講じることはできない。
今回の「コロナ禍」で私たちが教えられているのではないか。
「ウイルスの撲滅」という言葉を使わざるを得ない状況の中で、人は何が為されて、何が為されていないかを知ることができたように思います。
「国難」でしょう。日本に住む全ての人にその悲惨さの共有とそこからの脱皮をはかる真剣な動きが必要とされています。
今こそ叡知の結集が望まれます。

 人々の行動が問われ続けています。私の行動もこの「コロナ禍」という事態にあっても前に進んで行くことを選択をしました。
今年度の「大阪H.シュッツ室内合唱団」を選ぶオーディションが行われました。
見学者は皆マスク着用。会場は換気、外気と内気とを常に交換するよう図りました。
受験される人はマスクを着用されても良いが、マスクを外すことの意味を解して頂いて「マスク無し」を推奨しました。
〈表情が見える〉、それが第一の理由です。
受験される方の見学者との距離は万全です。この状況下の感染は起こらないとの判断です。
全て受験者はマスク無し、休憩時の私語はマスク着用で小声。終了後、新しい「大阪H.シュッツ室内合唱団」が選ばれました。
皆、素晴らしい歌を披露してくれました。
歌が好き!合唱が好き!な人、そして仲間となるためのコミュニケーションを大事にと思ってくれる人が選ばれたと思います。
この1年がまた大いに楽しみとなりました。
私のカバンが重たくなってきています。中は楽譜です。
今年予定されている曲は大曲が多く、その楽譜も立派なハードカバーが施されたものが並びます。
通常使う楽譜よりは重いのですね。手持ちカバンでは腕も肩も痛める可能性があります。
車の付いたキャリーとなるのですが、これがまた都会では人の流れの中では邪魔な存在。
しかたがないとは言えこの窮屈さと重荷は私にとって「耐え難い」ものです。
電子楽譜という便利なものもあるのですが、これとて練習では使えても、演奏会で使うには勇気がいります。
機器の突然の故障や充電という問題が残ります。
さて、始まりました。この1年が良い年となりますように。ただただ祈るばかりです。 

 



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