八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.193


【掲載:2021/05/20(木曜日)】

やいま千思万想(第193回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

もううんざりのウイルス世界。これ以上個性を奪わないで!

 パソコンに向かってコラムを書こうと思えば、頭の中を駆け巡るテーマはウイルスのことばかり。
流石(さすが)に気が重い。
しかし流れは少し変わってきたでしょうか。大勢の方がこの国の気質に気付き始めたようですね。我が国では「命」が軽んじられる事を。

 「陰性」であっても、「陽性」であっても、最新の情報によると“Super Spreader”(スーパー・スプレッダー=感染力を広げるウイルスの多い人)が存在して爆発的に素早く感染させていく。
圧倒的に我が国では検査が遅れ、明確な分け方ができずその判定率も実に低い。
検査不足は信頼性を失わせ、疑心案気を起こす。
その間にもウイルスは力を増し、自らを武装し、勢いづけ、感染を蔓延させていく。亡くなられていく人も以前に比べて多い。
東京や大阪、広島、愛知、北海道などの大都市だけでなく、次々と地方にも広がっていて、その毎日の感染者数は想像を絶する程の恐怖を抱かされる状態。
もうそんな中で文章を書けば、〈憤懣遣る方無し(ふんまんやるかたなし)〉の内容になるばかり。

 何故一人一人のウイルス有無が掴めない?どうして検査を増やせないのか。
予算の使い方、方針が見えない。対策も後手後手。オリンピック開催にしても道筋が余りにも矛盾に満ちている等…。
ウイルスから外れた問題も有りました。
前首相から始まった政府の傾向をよく示している「赤木ノート」。それは公文書を改ざんしてしまい、それを苦に、自らの命を絶った元財務省近畿財務局職員が書き残したもの。
そのノートの公開が話題となっています。
これは今の日本の問題性が浮き彫りになっているといって良いでしょう。
なんと〈命が軽んじられている〉ことか。人権など無きがごとし。精神衛生上全く良くないです。

 ということで、出てきたテーマは「お酒」の話。
美味しく仲間と飲みたい!無意識のうちに浮かんでいたのでしょう。
お酒の飲めない人には申し訳ないのですが、その美味さを知ってしまった人間には憤懣を鎮める効果もあったりで気持ちが楽になり、エネルギーもしっかり頂けます。
仲間と飲む楽しみよ!
私のお酒の始まりは「ウイスキー」から。
そこでお酒の美味しさを知りました。その次が「日本酒」。それはお酒の怖さを手厳しく教えられた苦い体験。
で、それから「ビール」。
そして「泡盛」(石垣でハマりました)へと進み、現在はそれらを楽しみつつ「ワイン」へと変わりました。
ワインはブドウの種類を味わう。
しかしこれも国、地方、そしてそれらのブレンドも有りとすれば、その寝かせた年数によっても味わいが異なる。
まぁ、これもまた際限なく彷徨(さまよ)う愉(たの)しみの世界です。
人に個性あり、酒も個性あり。それらの個性に酔う。その素晴らしき世界よ!
その世界を軽んじ、禁止し、強要しての善後策の不可思議さ。それらがわが国のウイルス対応策。
ああ!また、戻ってきましたね。
このテーマから今暫く離れられないようです。それがとっても悔しい!

 



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