八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.201


【掲載:2021/10/21(木曜日)】

やいま千思万想(第201回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

選挙ですね!棄権することなく貴重な一票を投じましょう

選挙ですね。戦後最短の選挙戦だそうです。
もう嫌というほどこの数年間は私の「常識」を越えることが続いています。
一挙に吹き出したのは「新型コロナウィルス」対策やそれに伴って乱れ飛ぶ情報が引き起こす混乱なのですが、
それまでにも信じがたい出来事がこの国の中心部で起こっていました。
SNSで流れる書き込みにはいつもながらの匿名による酷い言葉の羅列、罵詈雑言(ばりぞうごん)の類(たぐい)。誰の、どの情報を信じれば良いのか?

また、この国の特性だと私は思っているのですが、とにかく記録(歴史記述)を残さないという稚拙さ、独善的な行為が狡猾(こうかつ)に行われている。
怒りを通り越し、呆れて全身から力が抜けていきます。
そんな日々が続いて、「民主主義」の骨幹である選挙が今回のような体たらく。
国会を開かない、選挙活動を通して十分な議論が成されない、組織の縦も横もバラバラ。
個人が思いを語っても残るは無力感。
どんどんと息苦しさが増し、生活の営みが追い詰められ困窮者が増加し、命さえも失う人が想像を超えて増え続けている。

我が国の民はなんと寛容で優しさに溢れていることか。
しかし、これって見方を変えると狭量(きょうりょう)であって、意志が弱く、無知であるということにもなる(書きながら寂しく、辛い!)。
最近よく話題に上っていることなのですが、もう日本国は世界から観ればどの分野においても先進的ではなく、
順位を付ければ二桁や三桁ぐらい他国から離れて下方に位置するらしい。
ノーベル賞が発表されましたが、世界をリードする「知」は他国に渡り理想の研究を続けた故の業績。
「日本人が賞を取った」と誇るように報道するが、果たしてそれが正しい報道と言って良いものか。
我が国での研究結果では無く、国外での研究、その成果なのですから。

世界は全てにおいてグローバル化されている。
どの分野においてもそうです。「我が国では・・・・・・」でなく「世界では(中では)・・・・・・」という視点が望まれる。
それが現代の、今の〈価値観〉です。

甘い言葉が飛び交っています。真実も嘘も入り混じっています。
最近の政治を観れば、以下の様に子どもや未来に向かって言って良いはずがありません。
「嘘をついても良いよ」「人から預かったものを勝手に使っても良いよ」「書き残したもの(意見)を都合良く消しても良いよ」
「力の弱い者は助けなくても良いよ」「困っている人はこの世には居ません、と思って良いよ」
「責任なんて取らなくて大丈夫、問題ないよ」「ずる賢く生きなさい!」なんて・・・・・・。

私たちのマンスリー・コンサートでは受付で「選挙に行ってきましたよ」と言って頂ければ割引にしようという意見が出ました。
他の興行でも実行しているようです。〈やってみよう〉ということにしました。
棄権はダメですよね。
選挙に出かけましょう、「白紙委任状」とならないように。
せめて投票率は80%ぐらいにならないと。
私は期日前投票です。

 



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