八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.217


【掲載:2022/7/07(木曜日)】

やいま千思万想(第217回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

「棄権」することなく貴重な一票を投じたいですね

  参議院選挙が迫ってきていますね。棄権はダメですよね。しっかり投票しましょう。
それは国民として、納税者としての責務だと思います。
今回の選挙は「参議院」、衆議院とは違い少し関心が、盛り上がりが低いようにも感じます。
しかし、二院制度をとる我が国で〈とても大切な役割を担う〉参議院です!
本来の目的は衆議院から上がって来た法案などを再度合議し議決すること、それで法律として定められる。
「良識の府」と呼ばれる所以です。

 前回も書いたのですが、私は戦後四年目に生まれた者。「民主主義」をしっかり学んだと思っています。
しかし、年が経つにつれその「民主主義」は壊されてきたとの私の認識です。
社会としては敗戦国として稀有(けう)な復興を遂げ、世界上位の富める国になりました。
国民は凱旋したかの様な潤い豊かな社会生活の営みです。
しかし、日本は同盟国であったドイツと共に敗戦国だったことを忘れてはなりません、それが私が学んできた「民主主義」の原点です。
そう教えられた教育の始まりでした。もう一度書きますが、それが年が経つほどにはてな(?)が目立ち始めます。
弱者と呼ばれる立場の人たちが置き去りにされていきます。

 国は富む。しかし「全ての国民と共にできるだけ平等に富む」という視点が弱まっていく、そんな国の時代になりました。
「日本」と言えば、なんと忘れっぽい国民性なんでしょう。
自然災害の多い国では「忘れる」ことは前進することに繋がります。打ち拉(ひし)がれている時はありません。
「忘れて、次に進む」これが日本人かもしれません。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」これですね。
SNS上では「忘れてはいけない事柄、事件」などをきめ細かく列挙している人が居ます。
特にここ二年間の政府がらみの記述は迫力があります。
「ああ、あれが有った。あんな事が有ったが未だに有耶無耶になっている」と思い出されます。
とにかくSNSでは様々なニュース、そして意見が交差していて時間を忘れて見てしまいます。
以前に比べて罵詈雑言が少なくなり、「冷静で、建設的な意見」の勢いが勝ってきたように感じます。

 我が国が劣り、沈んでいく事無く、世界からも信用され、どの国に出かけても「日本人」は「良い人たちだ」と言われるようになりたいですね。
私自身、その体験をしてきた者の一人です。日本人と知って快く話しかけられたり、笑顔があったり。
とにかく怪しまれたり、差別的だったり、困惑したことは有りません。
「音楽」が有ったからかも知れないですが、日本人として誇りに思う出会いが多かったです。

 選挙でどの党を推すか、どの候補を指名するか、その基準は様々でしょう。
税金、国防、福祉、などなど沢山あります。安全や、幸福を目指す方法の論議が盛んです。そしてこれからもずっと続くことでしょう。
ただ、願わくは「見落としのない、国民全体が平穏で豊かな生活を営める、それを推し進める党や人に貴重な一票を投じたものに成りますように」。
「棄権」は有り得ませんね。

 



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