八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.229


【掲載:2022/11/10(木曜日)】

やいま千思万想(第229回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

見直しをしませんか。この国を!もっと多くの良心の情報を得ませんか?

 本土の日本海側の東北地方と北海道で酷寒が続いています。太平洋側は晴れ。
私が住む大阪は晴れ続きですが、とてつもなく冷たく強い風が吹いています。
今年は、季節変わり目があったのかどうか判らないような、異常気象を否が応でも感じてしまう1年でもありました。
これは来年も続きそうだとニュースでも取り上げています。

 ニュースといえば、昨今の報道も酷いですね。大切なニュースはできるだけ流さないようにしているかのよう。
この時期に、この時間にそんな内容の番組を組むのか!と思ってしまうニュース番組。
「ワイドショー」といわれる番組も、扱う問題は内容に深く踏み込んでいるかのように見せて、
実は肝心な部分はぼやかし、あるいは中途半端な取り組みで、いつの間にかそのニュースも消えていく。
この時期、そのような趣味や、タレントの話、また商品の購買を促す内容だけでなく、もっと生活に深く関係する政治の事項が有る筈。

 テレビ報道の醜悪さはもう、どうにもできない状況に陥っているようです。
ワールドサッカーにそんなに過熱しなければならないか?というほどオールチャンネルでテレビ放映される。
私の周りでは冷(さ)めた感じで、〈スポーツは良いよね〉と思う楽しみ方をしている人が多い。
何故あれほど力を入れなくてはならないのか。日本全体が「サカー国」だとばかりに煽り、時間を費やす。
何故、もっと大事な事を報道しないのか。
あったとしても「すでにも決まったこと」とし、少しだけ解説や意見を述べてテロップ(字幕)と共に見せる程度。
コメンテーターは確信的(しかし欺瞞ぎみ)に局や社の意向を元に話す。それらの決定に「待った!」。

 この国はいつから国会で議論を尽くし、採決してから法律や、案件を決定するという当たり前の事ができなくなってしまったのか。
「民主主義」とはそういった手続きを経ることですよね。
もう、世界の何処かの国と一緒で「独裁的」と言ってよいほどの決定事例が並びます。
平和の中から他人事のように「ニュース」を流す。自国には問題なし、あるいは危機感なしの報道姿勢。
しかし、一方では他国の脅威を、危機感を煽(あお)る記事が満載といった内容。
誠実そうな言葉で喋っている政府。
しかし言っているとおりに実行したことが一度たりともあっただろうか?
舌の根も乾かないうちに真逆の発表をする、またそれを良しする国民は一体どうなっているのだろう?
報道もそれを諫(いさ)めるようなコメントや記事が仮にあっても扱いはとても小さい。

ラジオは頑張っている。
ラジオはきっとニュースキャスターの個性の魅力、その責任感からそういった報道ができるのでしょう。
新聞やテレビなど、ほとんどが「社」としてのコメントとなる。
「社」の見解、あるいは世の中はこのように動いていると(一方的に)報道する。
それを読者が信じる。これはもうジャーナリズムが存在しない世界ではないか!
見直しをしませんか。この国を!

 



戻る戻る ホームホーム 次へ次へ