八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.230


【掲載:2023/01/19(木曜日)】

やいま千思万想(第230回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

島の未来は「人間の思慮」に委ねられている 短絡的でなく長期的に!

 新しい年を迎えました。改めて八重山の平安を祈ります。
今年こそ(夏以降になると思いますが)八重山に行こうと目論んでいます。それまでに島の環境が良くなっていますように。
正直、石垣島が心配です。
自然に恵まれているのは明白なのですが、じわじわと人間の思惑が入り込み、
未来が短期的に捉えられて長期の姿が霧の中に包まれていくようで不安がどうしても拭い去ることができない私です。
島の未来は「人間の思慮」に委ねられています。

 人間の力ではどうしようもない、自然の力を「ただ、見守り維持していく」ことを念頭に暮らしを営んでいかなくてはなりません。
人間はその「生命力」のお陰で、今ではこの地球上の最も「力あるもの」となりました。
人間同士が戦い合うことも、助け合うことも、そしてこの地球を破壊、破滅させることさえできる存在となりました。
この地球を離れ、他の惑星へと移り住む計画も立てられていますが、その前に私たち人類は滅びてしまうことも想像しておかなくてはならない状況が生まれつつあります。
フェイク[fake]ニュースが多々ある中、人間は自分の欲に眼を留めがち。
無知でフェイクニュースを流す者も居れば、思惑をもって流している人も居ます。
そのようにこの現代は、歴史上最も知的な人類へと発展、進化を遂げた様を見てきました。
その良し悪しは未来にしか証明されることはないでしょう。
だからこそ、「今を正しく検証する」必要に迫られています。
フェイクや、欲の思惑に惑わされることなく「今を生きる」こととしたいと強く願います。
といった思いを拭い去ることができず、大好きな八重山へと足が向かない私自身に苛立ちを覚えます。
早く、以前のように私にとっての「命の楽園」へと向かいたいと、意を決して今夏に訪島することを決めました。

 さて、ではこの冬の旅はいずこへ。南に向かわないのならば北へですね。
この冬は北海道ニセコにいくことにしました。久しぶりのスキー、そして大切な知人に会いに行きます。もう一つ目的があります。
ニセコの現状視察も兼ねます。
一時(今もそうらしいですが)ニセコは「外国」となっていました。道ですれ違う人々はほぼ外国人。それも年年主なる国籍が変わっていきます。
私が知る限りでは、最初はオーストラリア、それが経済の変化で中国、韓国、ヨーロッパの人々へと移っていきます。
ニセコは確かに経済的に上向いたように見えます(が、内情は違うそうです)。
あの誇るべきパウダースノーの環境の地に日本人が少ない。宿泊の施設も外国仕様に変わりました。
日本人に優しくない、どこか緊張する地へ変化していく姿を私は経験したことになります。

 この1月からスポーツジムに通い始めました。決してスキーをするためにではありません。
3年後には私の演奏団体が50周年を迎えます。
73歳の私にとって健康を保つこと、体力を付けることは責務と考えました。
医者にも太鼓判を頂いているのですが、自力だけでなく、今年からは他力にも頼って頑張るつもりです。

 



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